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ラジオ聴取率調査週間

 今、CBCラジオを聞いていると「夏の陣、ハァッ!」といジングルがよく聞こえます。
 年二回のラジオ聴取率調査週間によるもので、番組からのプレゼントを多く用意して、リスナーをひきつけようとする作戦。

 民間ラジオはスポンサーで成り立っていますので、そのスポンサー向けに、この局はどのくらい聞かれているかを示す資料を作らねばなりません。
 CMやタイム料金(番組の放送料金)の基礎になるものです。

 以前に聞きかじったことで、記憶違いや、今とは違うかもしれませんが。

 この聴取率調査(レイティング)は年二回、ビデオリサーチ社が行います。
 全日・曜日毎・時間帯など細かく聴取率を出します。

 その調査方法は難しく手間がかかるもの。テレビのように、調査サンプルのお宅へ伺い、機械をセットして、その機械が刻一刻とデータを送ってくれるわけではないので。

 ざっくり言えば、対面調査。サンプル世帯のサンプル対象者に直接聞き取ったり、あるいは、街角でランダムに通行人から調査を願い、その場で聞き取るもの、と伺っています。
 そこで、この期間は多くラジオを聞いてもらおうと、民放ラジオ各社はあの手この手でキャンペーンをおこないます。

 調査結果には、ラジオ放送局宛のお便り数も反映されるので、一層この時期には、多くのリスナーに聞いてもらい、応募件数を増やしたいところです。
 それが、今のCBCでは「夏の陣、ハ!」というもの。この最後の「ハ!」はよくわからないけど、午後の番組「北野誠ズバリ」で時々、誠さんが言っている「我ら、何々隊、ハァ!」とうものでしょう。
 東海ラジオは全く聞きませんが、同じく何かキャンペインをやっていると思います。

 ちなみに岐阜放送ラジオはどうだろう、CBCラジオと東海ラジオ放送は、中京広域圏が放送エリアという位置付けに対して、岐阜放送はあくまで岐阜県内が放送エリアなので、両立にはならないと聞いていますが。

 そういえば、今はラジオ放送は、電波を介してラジオ受信機で聞くだけではなく、ラジコで自宅・職場のパソコン、又は個人のスマホでも聞けます。
 これもラジオ聴取率の対象になるのかなぁ。さらにラジコプレミアムでは、ラジコ加盟の全国の民間ラジオが聞けますので、これらもどうなるのだろう。
 最近の事情はよう分からん・・・。

閏秒

 このところ、ラジオ聞いていると、よく話題に出ていますが、今年、7月1日に閏秒(うるうびょう)というものが挿入されます。
 つまり、今年2015年7月1日は、1秒だけ長い日になり、1日86401秒になります。

 なんで閏秒などというものがあるか、ざっくり言えば、かつては地球の自転を基準とした一日という長さが求められ、それを24分の1、さらに60分の1、60分の1で、1秒の長さを求めました。
 やがて、この1秒を正確に求める時計ができ、正確な時刻が求められると、地球の回転速度にはむらがあることが分かり、地球の自転をもとにしている時計とで差が現れるようになり、この自転と時計との差を調整しようとするものが閏秒。
 協定世界時(UTC)で、年末最後又は年の半分である、6月の最後に1秒を挿入、もしくは減らす調整を行います。
 協定世界時(UTC)とは以前はグリニッジ標準時(GMT)と呼ばれていたもので、今は、時刻を求める基準が少し変わっていますので、協定世界時(UTC:Universal Time Coordinated)と称します。
 日本標準時(JST)は、UTC+9で、閏秒実施は、元日又は7月1日の午前9時直前になります。

 これが今度の7月1日に、久しぶりに行われるわけで、前回は2012年の前半(UTCで6月30日、JSTで7月1日)、たしか弊ブログでも閏秒について書いた記憶があります。
 気になる方は探してみてください。

 閏秒は1秒が挿入されるだけでなく、1秒が減らされることも想定されています。
 ただ、これまでにこの減少は実施例は無いですが。

 「閏」とは、暦が平時より変化があり、多い・少ないことを意味します。

 なので、本年7月1日午前8時59分60秒は閏秒になります。
 閏が付くのに閏年というのがありますが、ほぼ4年に1度の2月29日は通常閏年とされていますが、正確には「閏日」です。
 日があれば月もあるのか、ですが、現在の太陽暦であるグレゴリオ暦では存在しませんが、旧暦である天保暦では「閏月」というのが存在します。
 閏月がある年は一年が13か月になります。

 というわけで、閏あれこれでした。

腰かける際は、脚を閉じましょう

 20日の弊ブログ記事「脚を組むのはよくない」に関連してです。
 電車の中で見かける、みっともない座り方で、男性でよく見かけるのが、脚を広げて座る人。
 あれ、なんでひろげるのでしょう。
 脚を広げると、当然膝の間隔が広がります。
 すると、隣の方の膝と当たります。

 脚を組むのは、多分に姿勢の悪さから来ているものですが、脚をひろげるのは、どうなのだろう。
 これまで見た中では姿勢は悪いですが、姿勢と言うより躾の点で、どうなのだろうか、と考えます。

 私は、その人の本質を見るには、腰から下を見よ、と教わりました。
 歩き方、腰掛方に、その人の本質が現れるもので、脚を広げて座る人は、その程度の人なのだろうかと。

 中には、片脚で45度、両脚間隔が90度広げて座るひともいて、どんな躾をされたのだろうか、普段はどんな行いなのだろうかと、ふと思います。
 腰かけると、少しは膝が開いてしまいますが、せいぜい肩幅までと考えます。
 それ以上広げたら、迷惑を省みない単なるアホ、としか思えません。

 しかし、中年・老人男性に多いのはなぜだろう。
 本人は当然の事だと思っておられるのでしょうけどね。
 この当然の感覚が、一番厄介。

名古屋市バス郊外系統で終車延長

 6月26日中日新聞記事からです。名古屋市交通局のバス(つまり市バス)の郊外を走る系統において、忘年会シーズンである今年12月に終車延長を試験的に延長するとのこと。
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 市バスの最終発車は、おおむね23時台ですが、乗客の少ない系統では21時台又は22時台で、地下鉄に接続している郊外の系統の多くも、このくらい。
なので、地下鉄東山線が夜遅くまで走っていても、その先の接続するバスが終わっており、金曜日は夜遅い需要があると判断、今年12月の忘年会シーズンに試験的に終車延長をするとのこと。

 どの系統で終車延長するのかは、今後決めるとのことです。


 地下鉄では、昨年7月から、金曜日と祝日の前日の平日に東山線の終車を遅くしています。
東山線は、東部の名東区で、新興住宅地からの需要が多く、バスに乗り換えて利用されている方が多い路線。
昨年の東山線終車延長の際に、バスの最終も遅くしてほしい、との要望はありました。


 バスの深夜帯運行では、1990年の12月から東山線の終電後に運行する深夜バスが、栄から藤が丘と高畑の両方向に運転を始めました。
その当時も夜が早い名古屋の街、とか言われていましたので、夜の交通対策として、深夜バスと栄の錦三地区から乗合路線タクシーの運行を始めました。
時はバブルの頃、いやバブル崩壊後でしたが、花金どころか花木(はなもく)とまで言われていた頃。
深夜バスはその後現在に至るまで運行が継続されていますが、乗合タクシーはいつのころか運行が取り止めになったようです。

 深夜バスは、東山線の駅の位置にしか停留所は置かれず、地下鉄から離れたお宅には、まだその先タクシーなどを利用するしかありません。
 この郊外系統での終車延長は、どの程度の成果が出るのでしょうか。

 一つのこんなデータがあります。

 あるバス会社で終車を大きく延長したら、定期券の発売数が増えた、というのがあります。
その延長された終車バスは、さほどお客さんは多くは無かったですが(単独では不採算ベース)、終日での乗車人員が増えたわけです。
つまり、終車が遅くまであることで、安心してバスをあてにした帰宅が出来ることから、定期券の売り上げにつながったものです。

 終車延長は、単に夜遅い方だけではなく、夜遅くになるかもしれない、という方の安心材料にもなります。

箱根山で観測史上初の噴火

 今日は、神奈川県西部が騒々しかったです。一つは、東海道新幹線で油を撒いて焼身自殺した事件。もう一つは、箱根では早朝から有感地震が連続して、白い沈降物が火山噴出物と確認され、昨夜、ごく小規模の噴火が起きていたと気象庁が発表しました。
 箱根山の火山観測が始まって、初めての噴火だそうです。

 このため、箱根山の噴火警戒レベルを3に引き上げ、大涌谷の半径約1mの範囲において避難指示。
 新たな避難指示の範囲は、初めて居住地域や別荘地域も含まれることとなり、雰囲気としては切迫した感じです。

 箱根山が今後どのような推移を行うのかはよくわかりませんが、自然景観の良い所は、必ず自然の営みによるものですので、自然の営みは、往々にして人々の営みに影響します。即ちそれが「災害」というもので、自然景観は災害と裏腹の存在であることを認識したいものです。
 しかし今回の噴火警戒レベル引上げ、避難指示の拡大で、箱根登山ケーブルカーの終点、早雲山から桃源台への箱根ロープウェイ運休代替バスのルートもこの避難指示のエリアに入るようです。
 これで、新宿からの芦ノ湖への鉄道ルートは途絶えることになります。
 これは影響が大きい。

 国道一号線の方は通れるようですが、ちょっと大変な状況になってきました。
 大規模噴火の可能性は低いとのことで、このまま、落ち着いてほしいのですが。

京都市下鴨神社のマンション計画・歴史学者団体から中止を求める

 京都新聞web版記事からです。京都市左京区の下鴨神社で計画されている、マンション建設について、全国の歴史学者や考古学者らでつくる「文化財保存全国協議会」は6月29日、建設の中止を求める決議文を京都市長に提出したとのこと。

記事リンクです。こちら

 記事によれば、計画されているのは、マンションだけではなく、大型倉庫の建設も計画されているようです。

 決議は、下鴨神社は歴史遺産の神社で、マンション群が収益を得るのが目的としている点で、下鴨神社の歴史的環境と相いれず、歴史遺産の完全性と真正性を損なう恐れがあるとの指摘。
市民共同で作り上げた歴史的環境を世界遺産所有者と開発業者の一存で、市民の意向を無視して勝手に改変することは許されない、とのこと。


 神社境内のマンション建設は、御所の東、梨木神社境内に木々を切り倒して、マンション建設が進んでいます。
 その様子がグーグルストリートビューに写っており、何とも凄まじい光景にビックリしたものですが、その梨木神社は、明治の創建。
 京都の歴史では「つい最近」のこと。

 それに対して下鴨神社は、正式名は賀茂御祖神社で、創建は分からないほどに古い神社。
 神域内には、糺の森があり瀬見の小川が流れています。この糺の森がある部分が世界遺産で、マンション建設予定地は、この糺の森から通り一つ隔てた、今は駐車場になっている所です。
なので、予定地は一見しては神社境内という感じは無いですが、下鴨神社の所有地です。

 このマンション建設のニュースに始めた触れたときは、梨木神社の二の舞か、と激しく怒れたものでしたが、場所が、神社神域という感じでは無い場所だったので、最初の怒りは収まりました。
 しかし、歴史学の立場からすれば、神域か否かではなく、下鴨神社(賀茂御祖神社)の存在自体が怪しくなる状況とのことでアカンという考え方。
 ・・・なるほどです。そうですね。神社が易く収益を得るために、ご神域を切り売りするようなことになったら、日本国の神道の立場はどうなるか、ですね。


 我が一宮市の真清田神社も、鳥居の内側の神域内に、駐車場があり、鳥居をくぐって自動車が入っていきます。
 名目は自動車清祓で、本当に清祓する場所もありますが、駐車場経営です。
 子どもの頃からの光景で、これが普通だと思っていましたが、神社が安易に収入の道を選ぶのは、神道の教義としてはどうなのだろうか、と理解するようになりました。
 下鴨神社もそうですね。マンションの場所は神社らしくない場所ですが、神社の体質が、今後の日本国の神道にも影響するのかもしれません。

閏月

 昨日は、閏秒挿入で大きな話題になりました。
 弊ブログでも事前に閏秒について書きましたけど、その際に、旧暦では閏月というものがあることを書き、それに対してコメントで昨年初めて知ったと頂きました。

 今日は、この閏月について書きます。こういう暦の構造、好きなので。
 太陰暦とは、月の運行を基にする暦で、月は地球の周りを約29.5日で一周します。
 29.5日ですので、これを12倍すると354日。
 つまり単純に月の運行「だけ」を基にすると、一年が354日で、11日足りません。
 11日たりないまま一年を経れば、たちまちのうちに暦が先へ進んでしまうことになります。
 それに、元日が四季のあちこちを移動することになります。
 そこで、太陰暦に太陽の運行を加味した暦を作り、それが太陰太陽暦と呼ばれるものです。

 太陽の位置を24等分した座標を用意し、天の赤道と太陽が通る黄道とが交差する位置を春分点として、そこを黄道の経度(黄経)0度として、360度を24等分します。
 すると、黄経15度の位置、黄経30度の位置・・・というのが出来、それを二十四節気になります。
 二十四節気は太陰暦の中で、太陽の運行を示す大きな要素で、二十四節気は太陽暦の片鱗です。

 ここで二十四節気が、太陰太陽暦での月名(何月とかいうアレ)の決め方に係り、閏月の存在に係ります。
 太陰暦での一か月は、新月から始まり、次の新月の前日までが一か月間。
 この一か月間に二十四節気の何が入るのか、で、その月名(何月)かが決められます。

 二十四節気は現在の太陽暦での一か月間には二つ登場します。
 その、月の前半に来る二十四節気は「節(せつ)」、後半が「中(ちゅう)」と言い、太陰暦の一か月にどの「中」が入るかで何月かが決まります。
 そして一か月に「中」が無い月が「閏月」になります。

こんな関係。
 中  旧何月
 雨水  1月
 春分  2月
 穀雨  3月
 小満  4月
 夏至  5月
 大暑  6月
 処暑  7月
 秋分  8月
 霜降  9月
 小雪  10月
 冬至  11月
 大寒  12月

 昨年(2014年)に閏月がありましたので、その例では、閏月は9月(旧暦で)がありました。その直前は閏ではない正9月。
 この旧暦正9月は、新暦の9月24日が新月で朔。新暦10月24日が次の新月で、その前日新暦10月23日が、旧暦9月の晦日。この新暦10月23日は二十節気の中気の霜降で、新暦9月24日から、新暦10月23日までの一か月が旧暦の正9月になります。
 次の一か月、新暦10月24日が新月で朔、次の新月は新暦11月22日で、その前日までが一か月で、この一か月間には二十四節気の「中」はありませんので、この一か月を閏月とし、もう一度9月をを繰り返して、これを閏9月と称します。

 こうして、大体19年に7回の閏月を挟んで、暦が先へ進んでしまうことを防止します。
 なんでもイスラム暦は、完全な太陰暦で、月の運行だけを基にするそうで、354日で一年だと聞いています。
 そのため、お正月が真冬になったり、真夏になったりする、と聞いています。

 暦ネタで書きましたので、昨日の閏秒、日本時間8時59分60秒を無事ゲットできましたので、載せます。
 2年前の時は、画面ハードコピーしましたが、今のノートパソコンどこか使いづらく、安全を期してデジカメで撮りました。
 そのため周囲が若干不鮮明ですし、少し暗いです。
 コンピュータの内臓時計が0.9秒進んでいるとありますが、直前まで0.1秒遅れているとありました。
 閏秒の瞬間に、0.1秒遅れから0.9秒進みに変わりました。
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旧暦2033年問題

 前回の閏月に関連して。

 旧暦の月名(何月とかいうもの)を決めるにあたってと閏月の決め方は、二十四節気を用いると書きました。
この原則通りに旧暦の月名を決めていくと、2033年(平成35年)に破綻するというものです。

さすがにこれは、暦の資料では気付かず、インターネットを初めて、知りました。
詳細な説明は、国立天文台のサイトです。こちら

 簡単に言えば、2033年(平成35年)秋から翌年春まで、旧暦の何月が決められなくなる不都合が発生します。
 その理由は、二十四節気の各日の間隔は、時間的に一定ではないから。
 平均すれば15.2日毎になりますが、季節の夏は、この二十四節気の間隔が長く、冬は短くなります。
 季節により二十四節気の間隔が変化するのを、定気法、時間的な変化を無視して、機械的に、365度を24等分するのを平気法と言います。
 旧暦である天保歴は、定気法で作られています。
 定気法は、冬は二十四節気の時間間隔が短くなり、旧暦の一か月間に何月を決める二十四節気の「中」が二度現れることが発生します。具体的には、2033年11月22日から始まる一か月には「中」の小雪と冬至が二つ入っており、さて、これを何月とすべきか、ルールが確立しておりません。
 逆に夏は長くなるので、2033年8月25日から始まる一か月には「中」がありませんので、何月か決められなくなってしまいます。
 これが旧暦2033年問題というもので、あと18年先にやって来ます。

 ハッキリ言って、どうでもいいことではあります。
 なぜなら、所詮は正式な暦ではない旧暦(天保歴)の出来事ですので。
 今の日本政府には、旧暦を司る部門はありません。
 こんにち、我々が旧暦旧暦と言っているものは、明治5年12月に廃止された暦を、そのまま現在に延長していただけのもので、正式な暦ではありません。
 なので、2033年(平成35年)が近づいても、日本政府としては、何の手立てもとられません。

 ちなみに、なぜ定気法では、二十四節気の時間(日数)間隔が変化する理由は、太陽の周りを廻る地球は、正確な縁を描いているのではなく、楕円形の軌道を描きます。
 そのため、太陽と地球との距離は常に変化します。
 太陽の周りを廻る惑星は、等面積等速度で運動しています。等面積とは、惑星軌道のある位置から次の位置までの距離と、その両地点を結んだ太陽からの距離(半径)でなす扇型の面積が同じ分だけ、円周上を動く時間が同じというもの。
 なので、太陽との距離が遠い夏場は、二十四節気の間隔が長くなり、逆に太陽に近い冬場は二十四節気の感覚が短くなります。
※本記事中、夏とか冬とかは、日本がある北半球の場合の事です。

 旧暦にはこんな問題点がありました、というお話。

地下鉄東山線終電延長一年

 中日新聞朝刊7月5日記事からです。
 名古屋市営地下鉄東山線の終電時刻が延長され、その効果を検証する記事がありました。
 名古屋の夜は早い、ということから、栄などの繁華街賑わいを創出するための東山線、終電延長。
 お客さんの乗りは、いいですが、その効果は未知数とのこと。

記事スキャナです。
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 名古屋で最も古い地下鉄路線、東山線。利用者も極めて多い路線です。栄の繁華街で夜のお帰りで終電に制約されて、夜が早いとされていました。
そこで、繁華街の賑わい創出のために昨年から始まった終電延長です。
 毎日ではなく、平日ダイヤでの金曜日(暦日では土曜日になります)と祝日前日のダイヤで終電が延長されるもの。
片道各2本、往復で4本が運転されます。

 交通局としては、経営上の大きな変化はありませんでしたが、街のそれぞれのお店では、地下鉄終電延長効果は実感として得られていないとのこと。

 これは多分、そうでしょう。
 終電延長は金曜日深夜のみ(他に祝日前日も)だけで、毎日実施ではない上に、終電延長時間は20分程度絵、大きな違いではありません。
 利用者の中では、地下鉄の深夜運行、すなわち24時間運行を望む声はありますが、それは不可能です。
 終電から初電の間は、軌道など線路保守の時間に充てられています。
 これも藤が丘~高畑間全線で毎夜の作業ではありませんので、一部区間を区切っての運行ができるのでは、とか言われていますが、軌道保守車両は、分岐器のある停車場でしか折り返しが出来ませんし、饋電区分という電車線路(第三軌条)に電力を供給する区間もあり、一部区間の営業運転しながら一部区間で保守作業は、ダイヤ構成上からも旅客案内からも無理です。

 この東山線終電延長効果を大きく受けている方は、単身赴任の方。
 金曜日深夜が終電延長なので、東京駅の最終「のぞみ」から名古屋駅での接続時間がゆったり取れるという評判。
 私の知人も、「楽になった」と聞きました。

 毎夜の終電延長でどうなるのか、というところではないかと思います。

車両故障よりも分岐器が破損したのに進行可能となったのが気になる

 本日の中日新聞朝刊記事からです。
 6月に名鉄名古屋本線岐南駅で発生した、駅に停車すべき普通列車の電源が落ちて、オーバーランした「事故」で、今後の対応マニュアルをまとめたとのことです。
 そもそも車両の担当者は、電源喪失は想定していなかったとのこと、どこかの発電所のようなことを仰っています。

記事スキャナ。
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 この件は、昨日のNHKラジオでも電源喪失の原因を詳細に調べた結果が分かったことを伝えていましたが、雨で電気連結器に雨水が入り、電気を切る回路が通電状態になったのが原因とのこと。

 それと、分岐器の破損に気付かなかった点で、運行管理部門の社員に今後月一回の定期研修を新たに始めるとのこと。


 この岐南駅オーバーラントラブルは、NHKなど報道機関は、車両故障の点を強調する論調ですが、最も遺憾とする点は車両故障よりも、分岐器が破損しても、進行可能とする信号が現示された点。
 運輸安全委員会の調査対象になってはいませんが、インシデントの対象になるギリギリの事案。

 分岐器は、進行方向によって、対向と背向があります。対向とは、分岐器の分岐する側の向きに走行する場合。背向とは逆に合流する向きに走行する場合。
 対向は、分岐器の先端レール不密着による脱線や異線進入があるので、要注意とされ、背向は不密着でも走行できるとされています。
 今回の岐南駅では、この背向方向で、先端レールが開通していないにも関わらず、普通列車が通ってしまった、というもの。
 そのため、先端レール(動く部分)が動かなくなり、次の岐南駅を停車する普通列車が発車しようとしたところで、出発側の分岐器が開通せず、そこで名鉄としても異変を感じたというものになります。

 ポイント破損に気付かなかった、というのは、どうだろう。
 時系列で考えれば、岐南駅に停車する普通列車がオーバーランした場合、直ちに分岐器破損が想定できるかどうかは微妙です。

 駅のホーム側である副本線に進入ルートを構成した場合、オーバーランを考慮して、副本線からの出発側も分岐器の副本線側に転換するのが、一般です。
 しかし、岐南駅は上り副本線側のホーム直前に第二場内信号機があることから、駅停車列車があっても出発側分岐器は通過用の本線側に転換されるようです。
 名鉄の運行や信号扱いの担当者なら、地上設備は熟知しているはずなので、この分岐器破損を直ちに想定しなかった(或は「できなかった」)ところに、重大な問題点があると考えます。


 電源喪失の原因としては雨水の進入とされましたが、名鉄のこの当事車と電機的には同じ構造の車両はJR東海やJR東日本にもあります。
 連結器構造が違うので、雨水の進入では同じ結果には至らないかもしれませんが、電源喪失という点では共通の要素です。
 他山の石とされないことを望みたいです。

自転車の速度違反取り締まり

 京都新聞web版記事からです。滋賀県草津市で、自転車に対する速度取締まりを行ったそうです。
 増える自転車事故防止で、安全運転へのよびかけでもあるという。

記事こちら

 場所は、草津市追分南6丁目で、新設駅ながら駅乗降人員が滋賀県でも10位に入る勢いの南草津駅近くの住宅地坂道道路。
日頃から、下り坂ゆえか速度を出す自転車が多く、草津署員がスピードガンを手に持っての計測。
速度違反の目安として、30km/hを超える自転車には警察官が止め、指導警告票を渡したとのことです。

 自転車の速度違反の基準となる法定制限速度には明確な定めが無いので、目安として原動機付自転車の30km/hを基準として、車道でこれを超える自転車には警告票を渡したとのことです。


 自転車の法定速度は、現在の法規では確かに明確な決まりはありません。
これはどれだけでも出していい、ということではなく、軽車両ゆえ能力的に限界がある考え方でしょう。

 かつては、制限速度として、「低速車」の分類として、30km/hでした。
 原動機付自転車も低速車の分類で、30km/hと定められ、それが現在の法規にも引き継がれています。


 7月8日の朝に取り締まりを行ったとのことで、7時半から1時間で取り締まりの対象となったのは25人。
最高速度は車道で42km/hを出した人がいるとのこと。歩道で36km/h。

 具体的な場所は分かりませんが、自力で42km/hとはもし平らな場所であれば、たいしたものです。
新聞記事では下り坂とあり、下り勾配で位置エネルギーで加速していたのだろうか。
だとすると、速度よりも止まり切れないことへの危険が増大じます。

 自動車の制限速度もそうですが、道路面の水平かどうかも制限速度に加味しなければなりません。
草津市の自転車取り締まりの件で、下り坂で勢いつけて、42km/hではれば、爆弾が走るようなものです。
ブレーキもかかりにくく、危険回避が遅れます。
下り坂は、自転車も自動車も、下り坂用の制限速度を付けるべきで、勾配割合によりますが、水平道路面の制限速度の2割程度は速度を引かねばなりません。(40km/hであれば32km/h程度)

ポートライナーで動物列車運行

 神戸新聞web記事からです。神戸市の三宮から出ている、新交通システムポートライナーで、動物たちと触れ合う「動物列車」が11日、運行されたとのことです。

記事こちら・リンク先に動画もあります。

 ポートアイランドの二期地区にある「神戸どうぶつ王国」の開業一周年記念として、同園と神戸新交通(ポートライナー)の共同企画とのことです。

 なかなか楽しい企画ですね。
鉄道旅客車両に動物の乗り込みは一瞬どうかと思いましたが、危険な動物は乗らなかったようですし、あくまで貸切列車ですので、運行終了後は車庫へ回送でしょうから、消毒も行ったと思います。

 小動物とは、動物園でも触れ合える場所があり、それの旅客列車版ですね。
動物列車は、三宮駅を発車後、どうぶつ王国最寄りの京コンピュータ前駅まで運行し、駅ではアルパカが出迎えたそうです。
アルパカはあの仕草が可愛いですね。


 この記事を読んで、動物王国の最寄りが京コンピュータ前駅ということで、ここは神戸花鳥園が有ったところです。神戸花鳥園の運営がいま一つとは聞いていましたが、昨年に運営者が変わり、動物王国と名を変えたことを初めて知りました。


 昔、衆議院で、国鉄の新線建設に関する質問で、東北地方のある路線建設予定に対する質問で、人口希薄阿地域を敷設することから、「猿でも乗せるのか」との野党議員の質問に、鉄道当局の回答は「鉄道営業法で猿の乗車は禁止されています」という名言があったことを思い出しました。

 もう一つ、太平洋戦争後、名古屋市東山動物園のゾウを見たいという希望で、ゾウ列車が走ったことも思い出しました。
 このゾウ列車というのは、戦争中、空襲があると動物園が破壊され、危険な動物が放たれるのを防止するため、軍当局から危険な動物を殺せ、という命令がありました。
その中にゾウもあり、上野動物園など各地の動物園のゾウは殺されてしまいました。
 しかし、名古屋市の東山動物園のゾウは、危うく難を逃れ、終戦を迎えました。

 昔も今もゾウは人気の動物。戦後、世の中が落ち着いてくると、ゾウが見たいという子供たちの希望があり、東山動物園のゾウを貸してくれないか、という希望が多数。
 しかしゾウは体が大きくて、鉄道では運べません。
 そこで考えたのが、ゾウを運ぶのではなく、ゾウを見に各地から子供たちを乗せて名古屋まで列車を走らせよう、ということで、戦後「ゾウ列車」というのが、東京からなど各地から走りました。

 今回の神戸ポートライナー動物列車では、小動物ながら本物の動物が乗った列車。
 動物たちとふれあいながら、動物園へ行けるのも楽しいでしょうね。

 なお、京コンピューター駅は、ポートアイランド二期地区の最後の駅。次は橋を渡り、神戸空港駅で、京コンピューター駅は折り返し設備があります。
通常はこの折り返し設備を使うことが無いですが、この臨時列車は折り返し設備を使ったことだろうと思います。その点でも珍しいことです。

JR西日本でホームベンチにも優先席

 神戸新聞web版記事からです。JR西日本は、兵庫県内の駅ホームベンチに優先席導入を進めているとのことです。
電車名だけでなく、ホームでも座席を必要とする方に快適に過ごしてもらおうとの狙い、だそうです。
記事こちら

 今年2月に初めて導入を開始したそうです。
一目で分かるように、電車内の優先席とおなじような緑色のデザインのカバーをかけているそうです。

 手始めに、垂水区の垂水駅から始め、立花駅~相生駅間の39駅に設置し、約1200席のうち、75席が優先席となったそうです。

 取り組みの背景には、ホームの安全性もあるそうで、酔った客がベンチから立ち上がったままそのまま前身して、線路内に転落する事例があることから、ベンチの向きも線路とは直角に置き換える試みも今後進めるとのことです。


 駅ホームベンチの優先席ですか。そこまでする必要があるのかなぁ、というのが素朴な感想。
私も優先席の対象になってしまいましたが、揺れていなところでは、それなりに立っておられますし、個人的には今のところ駅ホームの優先席は必要はありません。
しかし、今は極力腰かけるようにしています。
なので、腰かけるあてにしている時、ベンチに高校生などがだらーんと座って、スマホで遊んでいる光景を目にすると、無茶苦茶腹が立ってきます。
 ホームベンチは、そんな一人分だけを優先席にするのではなく、全部優先席にしたらええと思う。
もちろん「優先」なので、健常な方が病気などでは腰かけたら宜しいと思うけど、世間の方は私が思うような瞬時に切り替え考察が出来ないそうで、優先席=年寄り席と決め込んでいる方も多いようです。
なので私が座っていると、怪訝な目で見ているのが分かります。
 いつぞやは、連結部に短くした杖を置いていましたので、本当に優先席に座るバカな奴、という構図に見えたと思います。
降りる時になって、杖を出して伸ばすと、「あぁ・・・」という顔した小母さんがいました。

 なんでも固定的な考えをしてはいけません。
臨機応変に、柔軟に考えられる社会になれば、そんな優先席というものは、必要無くなると思うのだけど。

 ところで、酔客の転落対策でベンチの向きを線路とは直角にするのは、よほどホームが広い駅に限られると思う。
ベンチは通常4人か5人掛けです。それをそのままホーム延長方向の直角にすると、ホーム通行が難しくなります。
一人乃至は二人分の腰掛をホームに並べたら可能ですが、新たな費用がかかります。

 それと、神戸新聞記事では兵庫県内とありますが、JR西日本管内の兵庫県だけなのだろうか。
兵庫県だと、福知山線も兵庫県を通っていますが、記事には表れていません。

祇園祭と台風が重なった

 台風11号が、先ほど四国室戸岬付近に上陸したそうです。この先、四国を縦断して瀬戸内海を経て本州中国地方を縦断して、あすの夕方には日本海へ出るとの予報で、今年初の本土上陸大夫となりました。
 しかし日付が悪かった。今日は7月16日。京都市での伝統行事である、祇園祭山鉾巡行の前祭(さきのまつり)である、17日を前にした宵山が本日。
 宵山は翌日の巡行を前に、山又は鉾の周りに人が集まり、翌日の巡行を意味するところの、神様のお出まし・お還りを喜ぶお祭りで、山鉾を飾る懸装品などを、町家で、代々伝わる祇園祭由来の品物を公開する、というものです。
早い話が夜店が出ますので、夜祭で人が大勢出るもの。

 それが今年は、台風襲来。
 京都新聞web記事では、人が少なめと伝えられています。
 さて、明日17日の巡行ですが、実施・中止は山鉾連合会で午前5時半までに決定するとのこと。これは毎年の気象状況による決定事項です。
 しかし、これまで気象・天候を理由に中止されたことは記録の上ではないとのこと。

 巡行自体が中止になったのは、応仁の乱と蛤御門の変で、山鉾自体が焼失してしまった際、太平洋戦争の時、昭和37年の阪急線の工事の際に中止になったことがあります。

 仮に明日の巡行が中止になっても、順延や代替開催はありません。17日の巡行は、八坂神社から神様が、四条寺町の御旅所にお出ましになる「神幸祭り」の前哨で、町の衆が街を清め祓うもので、17日に行わなければ意味がありません。

 こちらのサイト記事には、動画があり、16日今宵の宵山は人が少ない様子が見られます。例年7月16日はとんでもない人出になり、私は近づいたことはありません。

 無事、明日の前祭が巡行できるのか。
 宵山の日、16日の夜は、日和神楽と呼ばれる翌日の晴天を祈って、祇園囃子を奏でながら各鉾町の一同が八坂神社まで参詣される行事があります。

ハリケーンから台風へ

 台風11号(T1511)は三重県南部など近畿地方から中国・四国地方にかけて大きな被害を残して、日本海へ過ぎていきましたけど、天気図にはもう既に次の台風12号が現れています。
気象庁サイトより。
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 この台風、実は米国産というか、ハリケーンになるべく熱帯低気圧が台風に進化したもの。

 そもそも、台風というのは、熱帯低気圧のうち、ある程度以上の風が吹き、ある範囲内にいるものです。

 ある程度以上の風とは、最大風速が、毎秒17.2m、ある範囲内とは、東経100度から東経180度で赤道より北に位置するもの。
 この範囲内で、風速17.2m/sの熱帯低気圧は台風と呼ばれます。

 ちなみに東経180度より東はハリケーン、東経100度より西はサイクロンになります。

 熱帯低気圧は、上空の風に乗って、この境界線を跨いで動くことがあり、その例が今年の台風12号。
 ハワイ近海生まれの熱帯低気圧で、東経180度の線を超えて台風の基準に達していたため、「台風」として観測されるようになりました。

 台風など熱帯低気圧は、発達する低緯度帯では東から西へ進みます。
 なので、台風が東経100度を超えて西へ行ってしまうこともたまにはあり、その場合は台風からサイクロンへと変わります。


 そんな台風12号が遠洋の海からやってきます。
 11号でかなり大変でしたのに、また来週あたり、日本列島に近づくとの予報もあります。
 台風は72時間先までしか進路予報が出ませんが、大まかな傾向としては、日本列島に近づき天候に大きな影響を与えると予想されています。

京都市の三条通・祇園祭の後祭山鉾巡行復活に向けて電線地中化要望

 祇園祭の山鉾巡行前祭(さきまつり)は、17日に台風の影響で、土砂降りの中、無事実施されました。
ネット中継を見ていましたけど、雨が降っているようには見えましたが、そんな土砂降りとまでは見えず、それがwebカメラの特徴でしょうか。
土砂降りは夜まで続き、京都市内の市街地周辺でも山沿いの地区に、避難勧告などの情報が出たほどです、

 前祭はそんな悪天候下で行われましたが、次の24日の後祭(あとまつり)に参加する鉾建て(ほこたて・鉾の組立)が始まりました。
弊ブログで何度か書いている通り、祇園祭の山鉾巡行は、かつては、7月17日の前祭(さきまつり)と7月24日の後祭(あとまつり)の二度行われていました。
それぞれ、八坂神社の神様が市中にお出ましになる日と、お還りになる日です。

 前祭と後祭では、巡行ルートも、山と鉾も違い、後祭は、人出も山と鉾も少なく、「寂しい祭りおした」とは京都の古老の弁。

 それが昨年の後祭巡行でのしんがりを務める、大船鉾が復活したのを機に、昨年から7月24日の後祭巡行が復活しました。
しかしそのルートたるや、前祭のルートを逆に行くもの。
その大きな理由が、かつての後祭巡行ルートだった三条通は、電柱が建ち、電線や通信線が三条通を横切る状態に。

 そこで京都新聞web版記事からですが、三条通の地元の方々で作る「京の三条まちづくり協議会」で、後祭復活で、景観整備もあり、背の高い山鉾が通る可能性のある、寺町通から新町通の間を電柱を無くす、電線地中化の要望を京都市に出すことになったそうです。

記事:すっきり三条通、後祭巡行復活を 京都市に無電柱化要望

 電線地中化は、普通に街の景観整備になりますが、これで直ちに後祭巡行が三条通を通ることにはならないかもしれません。
というのは、まつての後祭巡行経路は、寺町三条から南へ寺町通を行きます。
この寺町通りは三条通から四条通の間はアーケードが出来ています。
これは完全にアカン。
寺町通が通れないのなら、三条通をそのまま東進して、河原町通に出るのも考えられますが、三条通の寺町から河原町の間はこちらもアーケード街。
寺町通りか、三条通のアーケードを撤去しない限り、三条通の後祭巡行は復活できません。

 それに山鉾巡行を昔の姿に再現するなら、前祭も昔の姿を復活させたらどないや、と思います。
ただこちらは、観光側で猛反対となりそうです。
というのは、かつての前祭は四条通を四条寺町まで来て、以降は寺町通を松原通まで下がり、松原通を西へ進むルート。
今のような御池通の広い道を、桟敷席を作り「有料観覧」などできません。

巡行の変遷は弊ブログ2011年7月16日記事を参照。

青陽会能を拝見しました

 本日は、名古屋の観世流能楽師で構成される定期能「青陽会能」を観てまいりました。
定期能ですが、今年2回目。
余計なことですが、謡・仕舞を稽古する方が減っているのに連動するかのように、青陽会能の上演回数も減り、今年は僅か三回。その三回も能は一番か二番と、かつてに比べれば随分縮小されました。
私が能を観始めたころは、年4回で、毎回能が三番狂言一番でした。

今日の上演曲目。演者名の敬称略。
仕舞
 敦盛 星野路子
 花月 久田三津子

舞囃子
 龍田 吉沢旭
 通小町 清沢一政

仕舞
 清経 伊藤裕貴
 野守 久田寛鴎

狂言
 蚊相撲 大名:佐藤融 太郎冠者:井上松次郎 蚊の精:鹿島俊裕


 羽衣 天女:久田勘吉朗 漁師:高安勝久、椙元正樹

附祝言は高砂キリ

 観能ですが、狂言の蚊相撲。大名(という名の人より少し秀でた立場の者)が新参の召し使いを雇いたいがために、太郎冠者に街道へ出でて、だれか見つけて来いと命じ、見つけてきた者はなんと蚊の精。
 大名は、流行りの相撲を取ると言い出し、新参の召し使い(蚊の精)と相撲をとるも、蚊の精は、蚊の本性を出し、大名にブスッ。
 これはたまらんと、大名倒れる。相手は蚊の精だとわかり、ならばと大きな団扇を用意し、蚊の精が向かってきたところで団扇を仰ぐと、蚊の精はプーンの音を残して退散。
 大名、勝ったぞ勝ったぞ、と単純そのもの。

 という内容の狂言。

 能・羽衣は有名です。
 富士が見える、羽衣の松原で、漁師が松の枝にかかる美しい衣を見つけ、自分のものにしようとする。
 その衣は天上界の天人のもので、地上に降りてきた時に一休みで、松の枝に掛けたもの。
 天人はその衣がないと天上界へ帰れない。だから返せと。漁師、嫌だ。そんな押し問答の末、漁師は衣を返すことに。
 衣を纏った天人は、舞を見せて、天上界へ帰る、という内容。

 この天人が主役(シテ)で、これを、久田勘吉郎師。まだ若手です。
 名古屋の観世流の軸の一つとなる久田観正会の将来を担う一人。

 動きがやわらかく、天上界の天女が十分に感じられた能です。

 気になったのは、漁師の役はワキ(脇)なのですが、舞台にワキともう一人の漁師ワキツレの二人が登場し、ワキは後見座に釣竿を置きますが、本来はこれをワキの後見が片づけに出ます。
本日はそれが無く、普通にシテ天人が舞台に登場した際にシテ後見が舞台後方の後見座に置かれた釣竿を引きました。
「引く」とは後見によって、舞台から撤去することです。
ワキ後見によるものが、ワキの後見が出ないということは、本日は、ワキの方は他に来られていなかっただろうか。
高安流は必ずしも大きくはないので、こういう些細なところに流儀の行く末を心配してしまいます。

 能の羽衣では、正式な能でもワキツレを省略し、漁師はワキ一人の場合もありますので、ワキツレが出た分だけ、よしとしましょう。
モノゴトはポジティブに考えなきゃ。

能が終わって、着席していた席から。
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東海地方が梅雨明け

 昨日、「東海地方の梅雨が明けたとみられる」の発表がありました。平年より1日早く昨年よりも同じく1日早い梅雨明けです。同じ昨日は近畿地方と中国地方の梅雨が明け、一昨日は関東甲信越の梅雨明けで、本州は東から梅雨が明ける、不思議な現象です。

 あくまで「梅雨が明けたとみられる」であって、実際に梅雨の現象はもう少し前に明けたように感じます。
ただその時点では台風11号の影響も憂慮されて、梅雨明け早々に台風襲来では、国民の安全をはかる気象庁としては梅雨明けという明るいお知らせはできなかったと思います。

 昨日の梅雨明けとなる判断の直前の天気図。気象庁サイトより。
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 天気図の右下に台風12号が見えますが、東経180度より東のハリケーンエリア生まれの台風で、昨日一度、熱帯低気圧に降格しました。そして再度台風に昇格しております。この海域、台風の発生・成長エリアですので、いちど熱帯低気圧に降格しても、直ぐに再発達するだろうとみておりました。

般若面は出ませんが

 7月26日は、このところ、毎年夏の恒例となっています、名駅薪能があります。
 会場のタワーズガーデンにも、PRのポスターが出ていますが、このポスターは般若の面が大きくデザインされています。
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 しかし当日の演目では、般若面を用いる曲はありません。
 26日の能は、観世流宗家による船弁慶です。

 船弁慶は、頼朝に追われる義経は、弁慶などの一行と共に西国へ逃れる道すがら、摂津の大物まで来たところで義経のいい人である静御前を、この先の多難な前途を憂い、都へ返すことにして、別れの酒宴を致し、静を帰した一行は瀬戸内海を船出します。
 海上沖合へ出たところで、雲行きが怪しくなり、なみも高く、暴風雨の状態となります。
 波間に、壇ノ浦の戦いで滅亡した平家一門であった平知盛の亡霊が現れます。
 知盛の亡霊は、船上の義経を海に沈めようと画策しますが、弁慶の祈祷で知盛の亡霊は波間に消えてゆきます。

 こういうあらすじの能で、前場の静と、後場の平知盛の亡霊を、主役であるシテが勤めます。
 これを26日は、観世流宗家の観世清和師が勤めます。
 静の役には、若女という女性でも少し年齢の行った能面、平知盛の亡霊には怪士(あやし)などの怨念がこもった能面を用います。

 なので、般若は用いません。
 なぜ、ポスターに般若面を用いるのだろう。
 たしかこれまででも、ポスターに般若面が用いられていた記憶です。
 ポスターに般若面があると、当日の能でも般若面が出てきそうに思うのですが。

 般若面が、能面らしいデザインをしているから、深く考えずにポスターに用いた、という所なのかな、と推察しました。

 細かい事を知る者の悪い癖でしょうか。

 ここに仮設の能舞台を設けます。後方のミッドランドスクエアの方向に正面からの向きになります。
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 私の好きな脇正面から中正面はこの角度になります。
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 さて、当日は名駅薪能には行くかどうか、わかりません。
 通りすがらに見ることはあると思います。
 体調もあり、夜遅くなる訳にはいかないので。

 それにしても、毎年凄い人です。
 腰かけられる座席券は、既に申し込みを締め切っておりますが、かなりの倍率で抽選と伺っています。
 普段の能楽堂の能の公演は、結構空席がありますけど、演者の違いだろうか。
 東西の名手が来て演じられますので、それなりに関心はあります。
 ただ、生声ではなく、音響装置を用いますので、その点で興味は薄れてしまいます。(環境で音響装置を用いねばなりませんが)
 しかも、当日席では舞台からはかなり遠いですし。
 落ち着いて能を観るなら、やっぱり慣れた能楽堂です。

2016年元日は津軽海峡線は終日運休

 北海道新幹線の開業を前に、在来線との共用区間となる、海峡線新中小国信号場~木古内駅間での信号システムを実際に新幹線との共用システムに切り替えた試験を行うため、青森駅~函館駅間の愛称津軽海峡線を走行する旅客・貨物列車全てを運休にするとのことです。
鉄道コム記事から。

 北海道新幹線は、現在の在来線海峡線新中小国信号場~木古内駅間では軌道を共用することから、新幹線と在来線列車の双方を通行させる信号システムになります。
このシステムの動作試験の安定的な動作を確認するために、在来線列車を終日運休させるのだそうです。

 2015年12月31日深夜から2016年1月2日早朝までの間、運休となるとのことで、今は旅客列車に夜行列車はあったのかな。
貨物列車は夜行列車がありますが、大晦日から正月にかけては貨物列車は基本運休なので、この在来線運休日を正月のしかも元日に選んだのか、と考えます。

 しかし、お正月はまだ紀勢期間内、と思いましたが、今や北海道紀勢は、殆ど飛行機ですね。
何しろ小生、青函船舶航路の時代の頭のままですので、つい青森駅の帰省風景を想像してしまいました。

 要するに、一番影響が少ない日、ということで、2016年の元日は津軽海峡線全列車運休。

※※※
線路名称ですが、「津軽海峡線」は愛称で、青森駅~新中小国信号場間は津軽線、新中小国信号場~木古内駅間は海峡線、木古内駅~五稜郭駅間は江差線、五稜郭駅~函館駅間は函館本線です。
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