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白川公園のグランパス新スタジアム断念

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 4月12日の中日新聞朝刊記事からです。Jリーグ・サッカーの名古屋グランパスが本拠地とするスタジアムで、現在の瑞穂競技場が老朽化していることから新スタジアムで、中区の白川公園に建設する案がでていましたが、これを断念する方針となったそうです。
記事スキャナ。


 まぁ当然の結果ですね。この件は以前、弊ブログでも、白川公園移転に疑問を持つことで書きました。当該記事:2015年12月8日「

改良すべき踏切58か所

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 昨晩NHKテレビ午後7時のニュースで伝えていたことですが、国土交通省は、踏切閉鎖時間が長い「開かずの踏切」や、道路幅が狭いなどで危険性が高い踏切、全国17都道府県の58箇所の踏切を「改良すべき踏切」と指定し、5年後の平成32年度までに鉄道事業者に対策の実施を義務付けることとしたそうです。
NHKニュース項目:改良すべき踏切 58か所指定(動画あり)

 開かずの踏切は、大体1時間に40分以上道路側が閉鎖された状態の踏切、また踏切部分だけ道路幅が狭く、危険性が高い踏切。
 国土交通省のwebにも資料がありました。
国土交通省:政策・仕事>道路>主な施策>開かずの踏切等の解消

 開かずの踏切は、主にラッシュ時に開かずの踏切となることが多く、踏切通行者側も朝の通勤通学時で急ぎ気味、踏切遮断機が降りていても渡る人がいて、列車との衝突事故につながります。
 踏切部分の道路幅が狭い道路は、道路幅の拡幅は道路単体の部分は進んでも踏切部分だけが取り残されることがあり、踏切遮断機が上がると、自動車と人が一気に入ることとなり、自動車と歩行者との接触事故が起こる要因となります。


 対策として、開かずの踏切では、単体の踏切部分を立体交差とする「単独立体化」、都市部であれば、ある範囲内の線路を立体とする「連続立体化事業」、また歩行者用歩道橋を設ける方法があります。
 単独立体化では、道路管理者と鉄道事業者と費用協議を行うものとし、連続立体化事業は都市計画事業として行うもので、その場合は、鉄道事業者7%、国と自治体の双方で93%の費用分担を行うものとなっています。

 踏切の道路幅が狭い箇所は、鉄道事業者から近接踏切の統廃合を求められることがあり、費用分担以上に改良が進まない事情があります。踏切の統廃合は、踏切廃止もあり、地元との合意が必要です。


 地元、一宮駅周辺もかつては開かずの踏切でした。
 一宮駅に近い国道155号線は、元々は古くから道路部分が上へ上がった高架道路となっていましたが、その他の生活道路は踏切による平面交差、さらに国鉄東海道本線と名鉄名古屋本線が並行しているため、この両線を一つの踏切とするところもあり、国鉄と名鉄の両方の列車通過タイミングで、かなり長い閉鎖時間でした。
 特に、国鉄の場合は、尾張一宮駅停車列車も、通過列車と同じ踏切動作開始で、駅停車中もまるまる踏切閉鎖。
 これが、地元で国鉄の評判をかなり落とす要因になっていましたが、通過・停車選別装置を付けることなく、「さすがはお上の鉄道」と言わんばかりに、駅停車前から踏切遮断機、という開かずの踏切時代が長く続き、鉄道連続立体化となりました。

 ちなみに、都市計画の鉄道連続立体化は、鉄道線路の高架だけでなく、地下に線路を通す地下化も含まれます。
 京王電鉄の調布駅周辺連続立体化事業は、地下にする方法で実施されました。

熊本県熊本地方でM6.5最大震度7の地震

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 昨日午後9時26分ごろ、熊本県熊本地方で、最大震度7の地震がありました。
 今日は別のブログ記事を書くつもりで、その準備をしていたところへ、地震の報。

 地震発生時刻は、ブログを書く準備でネット徘徊しつつ、インターネット放送局のUST鉄道情報局を見ていました。
 その画面で、ツイッター参加の誰かが「地震」と書き込み、どこかで地震があったことを察知しました。
 UST鉄道情報局の画面からツイッター画面へ目を移すも、特に他からの地震とのツイートも無く、局所的な地震であろうと思いました。
 しかし隣の部屋から点けっ放しのNHKラジオから、どうやら地震速報をやっている文言が聞こえ、耳をそちらに合わすと、熊本県熊本地方で震度7!

 青ざめました。震度7とは最強の地震動です。
 しかも熊本県で、ブログ友様がいらっしゃいます。
 心配になりました。結局、そのブログ様のところは、電気も通じて、極端な大被害ではなさそうですが、「怖い」としてブログを更新されていました。

 地震そのものは、マグニチュード(M)6.5、最大震度が7。震源の深さ約10km。震度7を観測したのは、上益城郡益城町宮園。
 速報値でマグニチュードは6.4と発表されましたが、その後の精査で、6.5に訂正。

 マグニチュードの割には、大きな地震動となったのは、震源の深さが約10kmとても浅く、震央付近では極端に強い揺れとなったようです。
 今回の地震、緊急地震速報が発表されています。最初の緊急地震速報のチャイムは聞き逃してましたが、終了合図のチャイム、さらに、余震と思われる地震の中に緊急地震速報発表の地震もあり、それらは隣室のNHKラジオから聞こえました。

 気象庁webから、昨日の地震です。本日の0:50までの分しかキャプチャ取ってませんが、以降も余震とみられる指針が続いています。


 そのうちの緊急地震速報発表となった地震の震度分布。
14日午後9時26分の本震。全国。


同じく熊本県。


14日午後10時07分の地震、全国。


同じく熊本県


14日午後10時38分の地震、全国。


同じく熊本県


15日午前0時3分、全国


同じく熊本県。


 震源の場所は、中央構造線上の地震のようで、ツイッターでこんな図がありました。


 真夜中で、ここまでweb上のニュースサイト。
MSN:浅い震源、内陸型か 震源地周辺の断層帯、動いた可能性

 新幹線車両が脱線したそうです。強い地震動は熊本県でも東の方ですが、九州新幹線の軌道部分でも、新幹線車両を持ち上げるほどの加速度(ガル)があったのですね。局所的に揺れが強くなることはあるようですが。
Yahooニュース:幅10メートル、高さ10メートル 熊本城の石垣崩れる

 今回の地震、気象庁の命名地震に該当しそうです。
 ちなみに、熊本県熊本地方とは熊本市ではなく、こんな地域区分になります。


 先日も三重県南東部で地震があり、地球の自然の営みとはいえ、このまま落ち着いてほしいところです。

西武鉄道でレストラン列車

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 昨日は、熊本地震により急遽、書く内容を変えましたが、元々予定していたことです。東京都西部と埼玉県西部を走る西武鉄道で、レストラン列車ともされる「観光列車」を4月17日、つまり明日から走らせるそうです。
 「52席の至福」という名称だそうで、その名の通り2両編成の旅客定員は52名。
東洋経済オンライン記事:西武のレストラン電車「52席の至福」公開!
Yahooトピック記事:西武の観光列車「52席の至福」の全貌が明らかに!

 元タネ車は、クロスシートの4000系で、通常は池袋線・秩父線飯能駅~西武秩父駅間で運転しているものです。
 なので、東京側のターミナルである、池袋駅、西武新宿駅へはやってきません。
 「52席の至福」は、池袋駅、西武新宿駅から乗車して西武秩父駅へ向かうクルーズ列車ですね。


 このようなクルーズ列車が、このところ多いです。こちらの地域では、ローカル線起死回生の願いも込めて、長良川鉄道で、レールバス改造のクルーズ列車がまもなく走ります。
 岐阜県の郡上地方の旧国鉄越美南線。赤字ローカル線で国鉄としては営業廃止、長良川鉄道に経営が移管されました。
 その後も経営は厳しく、JR九州のななつ星を手がけた、デザイナーのM氏にデザインを依頼し、車内は郡上産の木材をふんだんに使った内装に改造し、食材も地元産、食器も最高のものでおもてなしする列車「ながら」が運転します。

 九州の大手私鉄西日本鉄道でも、同様のクルーズ列車を計画しており、このようなクルーズ列車が、人気ですね。

 私個人的には、これら乗ることは無いですが、新しい鉄道経営の在り方として愉しい事業だと思います。

続く熊本県の地震

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 昨日の弊ブログ4月16日午前1時半ごろ、西武鉄道でレストラン列車のことを書き、あとは送信という段階で緊急地震速報があり、最大震度が6強と速報、そして地震のマグニチュードが7.1と発表で、只事ではないと余震だと思いつつ、そのまま西武鉄道の記事をアップしました。
 その4月14日午後9時半ごろの最大震度7の地震は、気象庁の命名対象となる地震だろうと申しましたが、正式に「平成28年(2016年)熊本地震」と命名されました。
 今後は、年号の部分を略して単に「熊本地震」として言われるようになりましょう。

 そんな熊本地震ですが、昨日のブログアップの時間にマグニチュードが、その後訂正された値で7.4という大地震が発生し、こちらの方が一連の本震なよう。
 気象庁の見解でも、14日夜の地震は前震で、16日未明の地震が本震であった、とのことです。
 マグニチュード6.5と7.4では全然違います。
 マグニチュードの値が0.1上がると地震の強さは√(ルート)2倍で、0.2上がると2倍、1上がると、地震そのものの強さはざっと30倍です。
16日未明の地震を伝える、中日新聞夕刊記事。見出しが大きくスキャナで取れず、紙面をデジカメで撮影。

 記事はwebページです。
当該記事:熊本地震、震度6強相次ぐ 死者計28人、9百人重軽傷

 震度6強相次ぐ、のように、震度が強さの基準という感じです。
 実際そうですが、地球規模の影響の大きさからすると、震度ではなくマグニチュードの値です。
 この16日未明のマグニチュード7.4は大地震級ともいうべきもので、一連の地震の親玉のような感じ。
 大きな地震というのは、一つの親玉のような地震がドカンとあるものではなく、複数の地震が集中的に発生して、結果的に一つの大きな地震になるものです。
 2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)もマグニチュード9の超大地震が一つ起きたものではなく、短い間隔で大規模な地震が三つ起き、それがマグニチュード9と評価される超々大規模な海溝型地震となったものです。

 16日未明の地震では、有明海などに津波注意報が発表され、陸地での震源でしたが、震源域が広がり、海洋にまで達していたようです。

 この「熊本地震」も複数の断層帯で起きた地震で、一か所で大きな地震が起きると、それに触発されて、つまり力学的なバランスが崩れて、どんどん大規模な地震が起きるものです。
 「平成28年(2016年)熊本地震」の命名対象となった地震は、4月14日夜の地震ですが、改めて命名しなおす必要もありません。
 この一連の地震が「平成28年(2016年)熊本地震」です。

 それと、前震の意味が分からない、という意見があるそうですが、余震の逆バージョン。
 一つの大きな地震に続き、岩盤の割れ残りが割れるのが余震ですが、大きな地震の前に前兆のような地震があり、それが前震。
 なので前震は、本震が起きてからではないと前震だったかどうかは分からないもので、私もそう教わりました。
 今回の熊本地震は、前震に対する言い伝えになると思います。

 数が多くて煩わしいですが、気象庁の地震情報から。
 画面ハードコピーですが、数が多すぎて、分割してコピーし、それを編集ソフトでつなぎました。



 熊本市には、Amebaのブログでの友人「製造者のおっちゃん」さんが住んでおられます。
 16日未明の大地震で、お見舞いのコメントを入れ、夕方戻ってみると、「製造者のおっちゃん」さんのブログでコメントは全て閉鎖されています。
 どなたかのコメレスで、16日未明の地震では逃げるのが精いっぱいで、佐賀県の友人のところへ避難します、と書かれていて、もう熊本市のご自宅は住めないのかな、ととても気がかりです。

  14日夜の地震では、熊本城から煙が上がる映像があり、瓦が外れ落下していました。石垣が少し崩れましたが、16日未明の地震で石垣が大規模に崩壊し、とても2年では復旧ができなさそうです。
 そもそも上回り(天守閣)の建物を一旦撤去しないと石垣の復旧施工が出来なさそうで、元の姿に戻るには年単位でかなりかかりそうです。

 そんな熊本城を美しく紹介する動画がありますので、熊本城と被災地の早期復旧・復興を願い、載せます。
 熊本市にテレビ熊本(TKU)というテレビ局があり、2013年3月まで放送していた夕方の情報番組「ぴゅあぴゅあ」の毎週金曜日「くまモンキャラバン」で最終回は桜咲く、熊本城からの中継。
熊本城でお花見。
くまモンキャラバン 熊本城 (最終回)


もう一つ、本能寺の変ダンスで有名なエグスプロージョンによる、熊本城のうたです。
くまモンのソロバージョンがあって可愛い。
熊本城のうた ‐ エグスプロージョン


この歌で一番分かったことは、年パスが1000円だということ。

縦揺れと縦波

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 14日夜からの熊本県などの地震は、地表直ぐ近くの大変浅い地震で、直下型地震の恐ろしさをまざまざと見せつけています。
 熊本の地震でも、これまででも、こうした地震で「最初縦揺れだったのが、そのうちに横揺れ」というような話を聞きます。
 中には「縦揺れ=縦波」と思っている方も現実にはいらしゃるので、少し縦波のことを。

 つまり上下動は縦揺れ=縦波ではないことです。

 よくP波・S波と言われますが、P波が縦波ですけど、上下動はS波になります。
 P波というのは、Primary wave(プライマリウェーブ・先に来る波)またはPressure wave(プレッシャーウェーブ・圧力波)で、疎密波のことです。
 疎密波というのは、媒質の密度が変化するのが伝わる現象で、空気中を音が伝わる現象がこれになります。
 なので、地震のP波は、人間が感じるよりも場合によっては音として聞こえることがあります。
 こんな性質なので、P波は伝わる速度が速く、これを捉えて波形解析を行い、大きな地震と判断されれば「緊急地震速報」が発表され、後から来るS波の大きな揺れに備えられます。
 そのような仕組みから、足元で発生する直下型地震では、緊急地震速報は間に合わないことになります。
 余震が頻繁に起きていますが、熊本地震の災害現場の取材中にも「うわぁ地震だ!」の声と共に、携帯電話から流れる緊急地震速報の「キュゥキュゥ」の音が聞こえました。

 S波とは、Secondary wave(セカンダリウェーブ・続く(後から来る)波)で、これがいわゆる地震動として揺れる波です。
 人間が感じる地震の揺れで、地震計では東西方向成分・南北方向成分・上下方向成分、それぞれに揺れます。

 なので、上下動も横揺れの一つです。


 今回の熊本地震、稀に見る、地表近くの巨大地震で震源域付近の方はさぞ驚かれたと思います。
 よく言われる「グラグラッ」ではなく、アスファルト舗装の表面を叩いて成形する機械で、下から叩きつけらるような「バンバンバン・・・」であっただろうと思います。
 いえ、これは想像を振り絞って書いているだけですが。

人の営みで出来る御所の細道

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 熊本の地震は、心痛ですが、産経west4月9日に面白い記事、というか話題がありました。
記事:「御所の細道」 京都に脈々(とことんサーチ) 轍に刻む自転車マナー 譲り合い・縦列走行 自然と一本道に

 弊ブログでも、過去に書いた、御所(正しくは京都御苑)の砂利を自転車通る部分だけ細く土が露出している「通路」のことです。
 京都御所がある京都御苑は、「御所」以外の場所は京都御苑国民公園として広く一般に解放されているもので、北は今出川通、南は丸太町通、西は烏丸通、東は河原町通に近い寺町通に挟まれた広い区域で、記事の図から距離を示すと、東西0.7km、南北1.3kmの区域。
 なので、この京都御苑内の主に東西方向で、地元の人の通路(道路代わり)となってます。

 御所以外の場は砂利敷で、自転車で走るには少々大変、なのですが、自転車用の走行空間が自然とできてきます。
 一台が通ると、その部分の砂利が僅かでも薄くなり、それが続くと、次第に細い砂利が薄く、土が露呈する部分=魚所の細道が出来曲がります。
 この「御所の細道は」決して真っ直ぐではなく、ゆったりと曲がるのが特徴。

 それ故、この「空間は宮内庁の管理事務所で描いてるのか?」というのが記事の主題。

御所の細道。




グーグルマップの空中写真から。しっかり線が映ってます。下が清和門。


 この京都御苑の砂利敷は時々、御苑事務所の手で整地され、当然「御所の細道」も消えます。
 しかし人の性(性分)は変わらないもので、元通りの軌跡を描き、同じような位置に御所の細道が現れるそうです。
 そんなわけで、「人の営みえ出来る御所の細道」です。

 ところで、この「御所の細道」は単線です。
 双方から自転車が来たらどうするのか。物の書によれば「強い方」が真っ直ぐ、「弱い方」が砂利の方に避けるそうです。
 この「強い」とは物理的な力ではなく、雰囲気の力。
 すなわち「オバちゃん」です。京都でも、大阪でも、名古屋でも、一番強い生物は「オバちゃん」です。(笑)

震源が東へ移動しているらしい熊本地震

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 産経west記事と少し前のYahooニュースからです。熊本県とその周辺の一連の地震、震源地が東へ移動しているらしいです。
産経west記事:広がる震源域、その意味は 地震600回超、熊本南部も警戒呼びかけ
Yahooニュース:「震源、じわじわと東に」 別の活断層に影響の可能性

 弊ブログで書いた通り、ここは中央構造線の日本の地溝帯。複雑な断層がいくつもあり、地殻の応力が複雑にあり、地質時代から地震が多く発生していました。
 グーグルマップの空中写真で、熊本南西沖上空から中央構造線のラインを見てみました。


 九州の島を南と北に分け、四国の中央部山地の北側は一つの線のようにいきなり瀬戸内の平野になってます。
 この線は、海を隔てて本州和歌山県北部の紀の川沿いの山脈になり、さらに東へ伊勢市から鳥羽市への線と続き、伊勢湾口の神島、さらに渥美半島へと続いています。

 14日夜の最大震度7の地震の後に、16日未明の地震では、有明海などに津波注意報が発表され、震源域が西へ広がっているように感じていましたが、その後に頻発する地震の震源は東へも移動しているそうで、誰かが、そのまま海を越えて、四国でも地震が頻発するのでは?とか言っていました。
 産経west記事の図から。これはよくわかりやすいです。


 この一連の地震活動、過去には無かったそうで、つまりは「有史以来」。1979年に御嶽が噴火した際も有史以来とされていましたが、有史以来なって、たかだか千年程度のスパンです。
 自然の活動ではわずかな時間スパン。
 熊本の一連の地震は、日本の大断層帯ですので、地質史的には大きな活動があった場所で、どのような地震活動の推移なのか、よく分からない部分があるとおもいます。
 実際に、気象庁もそんな見解を出していました。

 余震がとにかく多い。こんなに余震が多い地震も初めて、ということですが、これで我々は一つ覚えました。
 中央構造線からは少し外れますが、方丈記によれば12世紀の京都で大地震が起こったそうで、その地震では余震が一か月以上も続いたそうです。
 幕末の今の長野県では、長野盆地西縁の断層による善光寺地震があり、これも余震活動が頻繁に起こっていたと伺っています。

 この先は、非科学的ですが、善光寺地震以降、安政の東海地震・安政の南海地震・安政の江戸地震と続き、徳川幕府の弱体化で政情不安の時世の中の災害で、政情不安だと自然災害が多い、という話も聞いたことがあります。
 現代の日本はどうか。2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)など、大きな地震があり、中央構造線沿いの内陸地震は、南海トラフの海溝型超巨大地震の予兆かもしれません。

熊本地震の最大地震の震度は7だった

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 地震が頻発している平成28年熊本地震。これまでの最大震度は、14日夜発生したマグニチュード6.5の地震で後に前震の一つとされた震度7の地震でしたが、16日未明のマグニチュード7.3の地震も、阿蘇郡西原村と上益城郡益城町で、震度7を記録していたと気象庁が発表したそうです。
神戸新聞記事:熊本・益城、16日も震度7 史上初、同時観測も判明

 つまり地震計では震度7を記録したものの、伝送ができなかったので、これまでの記録上は最大震度6強とされたものでした。
改めて、16日1:25の地震、震度全国。気象庁より。


同じく九州。


同じく熊本県。

震度5弱以上と推定されるものの、震度報告が無いとされています。

 報告が無いのは、「無い」ではなく、場合によっては甚大な結果である場合が多いものです。兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)でも神戸市の震度がなかなか入らず、地震発生から1時間以上経ってから震度6との報告がありました。
 当時の震度階級は、人の感知によるもので、電話報告です。報告での最大震度は6で、震度7は、現地調査によって判定するものでした。

 震度7は旧の震度階級、判定基準では、建物の30%以上が倒壊する、と定めています。益城町、そんな地震動に二度も襲われれば、それは大変な状況になります。
 マスコミでは、14日夜のM6.5の地震だけを「前震」としているようですが、「本震」の前の地震は全て「前震」です。
 尤も、被災された方には、前震だろうと本震だろうと関係なく、「恐ろしい地震」ということだけ。

 前に書いた熊本市中央区にお住まいのブログ友様、「製造者のおっちゃん」さんは、その後ブログ更新され、佐賀県へ避難したものの、同じ熊本市にお住まいで被災されたブログ友様用に、水・食料を買い求め、拠点となる店舗に届けられたそうです。
 しかし、お住まいのお宅は危ないそうで、避難所はいっぱい、自動車避難だそうです。

出されたデータを信ずるしかない・三菱自動車のデータ不正で

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 三菱自動車で製造している軽自動車の燃費試験データに、実際よりも低く記されていることについてのニュースが大きく取り上げられています。
 これに対して、昨日のMBSラジオ「ありがとう浜村淳です」で、今朝の新聞からいろいろ話すコーナー(といっても前半の約50分ただしゃべるだけ)で、「自動車会社から示されたデータを検証する機関が無いそうですね」などと言うておりました。
 つまり、三菱自動車の製造する軽自動車(とOEMで製造している日産の軽自動車も)は、実際の燃費効率と異なったデータが示されても、お役所としては検証する術が無い、ということを問題視しておられました。

 これ聞いてて、確かにそうです。
 国土交通省は現業機関を持たない許認可のみを行う省庁で、現業機関が無いということは、研究所なども確か無かったと思います。
 1990年代に名鉄が運転最高速度をそれまでの110km/hから120km/hに引き上げるにあたって、その順序を伺う機会がありました。
 鉄道は、ただ速度を高く出せばいい、ということは無く、之々こんな状況で、技術的な安全である、という試験データを添えて、運転最高速度の向上認可申請を行うわけで、当時の運輸省には、この技術的検証機関は無く、示されたデータをそもまま認可における資料とするしかない、と伺いました。

 自動車でも多分、それに倣うと思います。
 自動車の世界はよくわかりませんが、国土交通省の試験場は無く、型式認定でも自動車会社のデータをそのまま使うしか無さそうです。

 なお、国鉄(日本国有鉄道)は、国鉄自体が官庁なので、最高速度向上や、新形式車両の竣工などは、運輸省とは関係無く自前で行っていました。
 なので、営団地下鉄と相互直通の車両を造ると、営団地下鉄走行分は運輸省の管轄なので、新形式車両の竣工届を運輸省に出しに行った、という話を伺いました。その時の弁「私鉄の方って、面倒なことしてるんですね・・・」


 しかし、三菱自動車のこの件、大きな問題ですね。
 場合によっては会社存続の危機につながるかもしれません。
 お客さんと、国土交通省を騙したわけで、とりあえず、お客さんには実際の燃費とデータ上の燃費との差額分を補てんすると述べておりますが、そもそもの信頼、次買ってもらえるか、に係わります。
 また国土交通省側でも、税制に係わる部分、低公害であることから減税措置があり、その分の減税相当分の納付を求められるかもしれません。

新名神の工事で橋桁が落下

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 昨日夕方、NHKラジオを聞いていると、神戸市北区道場町で新名神の工事現場で橋桁が落下したとの一報があり、新「名神」にしては妙に北の方を通るものだと感じました。
 新名神を造っているのは知っていましたが、どこを通るのかは知らず、北区道場町ということで、六甲山系のはるか北、三田に近い方です。
神戸新聞記事:橋桁落下、1350トン国道に 神戸の新名神工
同:橋桁落下、ごう音鳴り響く 通行多い国道に 神戸

 一報を耳にしたときは橋の落下、というよりその場所が気になったものでした。地理関係が良く分かる地域ですので。

Yahooのトピックに落下する様子の動画がありました。
 建設工事中の新名神高速道橋桁が落下する瞬間、カメラとらえる

 なぜ落ちたのか、まだ落ちたばかりでよくわかっていませんが、落下した現場の画像を見ると、「送り出し」と呼ばれるもののようで、架橋する橋桁を、架設部分の片側から伸ばしていくもので、引き伸ばしの作業時間は下の交通を遮断させますが、施工中の通行を確保できるものです。
送り出し工法にこんな解説があります。日本車両のページ。http://www.n-sharyo.co.jp/business/tekko/methods/okuri.htm

 市街地の都市高速道路でも用いられれ、名古屋市内でも見かけました。
 市街地での架橋工事では、広島市の新交通システム「アストラムライン」で、施工中のアストラムラインの橋桁が落下して、下で信号待ちで停まっていた自動車数台を直撃し、死亡者を出した事故がありました。この時の工法は今回とは違ったものですが、施工中の橋桁落下は同じです。

 今回の現場は、下を交差する道路は176号線。通称「イナロク」。大阪平野北部から兵庫県三田市へ至る、通行量の多い道路。通行する自動車に直撃しなかっただけ、不幸中の幸いでした。
 神鉄の二郎(にろう)駅近く。そのまま山陽道に直結する構造のようです。


 ここの現場の道路、通ったことがありまして、当時の神鉄バスの路線バスで。有馬町から三田(駅前)までです。しかし車両は中型車。さほど多くの需要が無い路線だったようで、現在は短縮され、有馬まで行かずに下山口~三田の系統。
 神戸市に編入される前は有馬郡道場村で、早い話がイナカの地域。六甲山系の北側の山間地の平原が広がるところ。
 176号線の自動車通行量は結構多く、暫くは事故現場は通行止めでしょう。復旧は時間がかかりそうです。
 迂回路が無いわけではないですが、大型車は通れるのだろうか。
 そもそも普段はさして自動車が通らない道を、多くの自動車が通るのは、地元の方からすると迷惑になります。

 こうした架橋現場の下を通ることもありますが、落ってこーへんかな、などと思うことがありますけど、本当に落ちてしまいました。

 施工業者も橋桁を落としたくて落とした訳ではないですが、施工管理にどこか抜けがあったのかもしれません。

京都市営バスで後部ドアを開けて走行

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 京都新聞web版記事からです。京都市内走行の京都市営バスが、乗車用後部ドアを開けたまま、約90m走行していたそうで、近畿運輸局は運行を受託していた京阪バスを厳重注意した、とのことです。
記事:ドア開けバス走行、動画で発覚 京都、安全装置外す
 17日午前11時40分頃、北区の西大路通で、衣笠校前停留所を発車した立命館大学前行きバスが、後部ドアを閉めずに走行し、約90m先の信号交差点で停まったところでドアを閉めた、ということ。
 この間の最高速度は約20km/h。

 発覚したのは、ドアを開けたまま走行する様子の動画が、動画サイト(youtubeか?)に出ており、これを確認した交通局が調査していた、というものです。
 重大事故につながる行為で、交通局として再発防止を徹底する、ということですが、どのようするのでしょうかねぇ。

 なぜドアを閉めなかったのかは、早く発車させるためで、後部ドアが開いていると、加速できない機能の装置を止めていたそうだ。


 このようなことは、かつて国電(国鉄)でもありました。
 終戦後で動ける車両数は少ない、しかし大量のお客さんは乗るわで、ドアが中々閉められず、そこでドアが開いた状態では加速できない「連動」の装置を止めて、走行とドアは関係なく扱えるようにし、発車しかけでも乗り込もうとしたら、さっさと発車して動く電車で乗車をあきらめたところで、ドアを閉める、ということをやってたそうです。もちろん当時の伝聞です。

 京都市バスの今回の件。多分同様ですね。
 立命館大学前行きの衣笠校前ですので、新たな乗車は少ないですが、ここまでの区間で早く発車させようと安全装置を止めていただろうと思います。
 どの系統なのかは分かりませんが、京阪バス受託で立命館大学ゆき、ということから多分50系統京都駅~立命館大学間系統でしょうか。
 九条車庫は、直営時代から評判(悪い方の)が高く、京阪バス委託となった今でも「武勇伝」をたまに聞きます。

 こうした体質があり、本局としては「再発防止を徹底」とは言うものの、どうするのかが気になるところです。

 京都市営バスなのに、京阪バスとはどういうことか、なのですが、京都市交通局の経営改善で、業務を民間事業者に委託することで、経費の節減をはかるものです。
 京都市交通局では、京阪バスの他に、阪急バス、近鉄バスが受託しています。
 営業所単位で受委託しており、運転士の制服は京都市交通局のものですが、スタフ(運転用時刻表)などはそれぞれの会社仕様です。

やはり迷惑な存在伊勢志摩サミット

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 熊本地震が発生して、その関連の記事を書いたりして、時期を逸してしまいましたが、迷惑な伊勢志摩サミットが近づいています。

 NHKラジオFM放送に、毎週日曜日のお昼に「トーキングウィズ松尾堂」という番組があります。
 各界からの人を呼んで、いろいろな話を聞き、話題で進行する番組で、日曜喫茶室放送以外では毎週聞いていますが、この番組4月10日放送では「春・伊勢志摩を歩く」と題して、三重県出身の俳優さんと、伊勢市観光協会の理事という方が出ておられました。
 最初は、伊勢志摩の主だった観光名所などの話題でしたが、やがて5月のサミットへ。
 地元は盛り上がってます、から伊勢市観光協会理事の方、意気揚々とサミットの期待ぶりを話されるものですから、聞いているうちにだんだん腹が立って、FMから第一放送に換えてしまいました。

 このブログで以前に書いた通り、伊勢志摩サミットの開催は迷惑に感じます。
 しかし放送等では、歓迎する報道ぶり、しかも地元は「盛り上がってる」などとポジティブな思いであることを伝えていますが、そんな人は多分、この観光協会理事とか、そんな立場の人だけのように思います。

 そんな番組、途中で聞くのを止めた10日の後、広島市でサミット関連の世界外相会議が行われ、市内のどこかの島がその会場で、伊勢志摩サミットの警備のモデルとなる、とかでTVでその模様を伝えていました。
 住民には一人一人にIDカードを発行し、何と生まれたての赤子にも発行。リポーター:「こんな小さな子にもIDカードですか」、母:「そうなんですよ、もう大変で」

 やっぱり住民の方迷惑に感じられています。
 そのテレビでのコメントでは、市民の行動の自由を制限しても警備・・・云々とか言っていましたが、伊勢志摩サミットではどうなるでしょうか、などと言っておりました。

 中部運輸局の報道発表で、交通機関にも影響があるということで、公共交通機関の運休などが発表されました。
こちらの5ページ目

 5月21日から28日までの期間で、近鉄志摩線の鵜方駅~賢島駅間は運休。また路線バスの賢島へ行く路線も、一部区間運休。英虞湾定期船も一部で運休したり発着港を変えたりするということです。
 それらの措置で外務省が賢島と本土のどこやらとを結ぶバスを走らせるそうですが、要するに、賢島や周辺地域の住民に盛大に迷惑をかけながら開催するのが伊勢志摩サミットです。

 賢島に在住している方にはIDカードを発行し、島の出入り(というか「入り」ですね)では、手荷物検査があるそうですが、そんな自宅へ変えるのに、IDカードを用意し、毎度荷物検査するのは、どんなものだろう。
 それを平気で行おう、という精神が、お役人はどうかしています。
 外務省でバスを出す、ということですが、毎日の生活リズムがあります。朝何時に出て、何々するとか、というリズム。
 これを阻害させるのが伊勢志摩サミット。

 以前に「迷惑」として書いた記事には賛同を頂けましたが、どなたか、この伊勢志摩サミットをポジティブに期待する方がいらしたら、どうかコメント頂きたいです。
 こんな市民に制限制限をかけるイベントをどこから「期待」されるお気持ちなのか、そこをぜひお伺いしたいです。


 地元の一宮駅コンコースでも時々警察官が、高さ約10cmの台を用意してそこに載っている様子を見かけます。
 駅構内も警備のためなのかゴミ箱が撤去され、迷惑です。
 ポスター掲示には「みんなで成功させよう伊勢志摩サミット」が目に入ります。
 何をもって「成功・不成功」なのでしょうね。時期が近づけば「粛々」と進めるでしょうし。
 正直なところ、別に成功しなくても私には関係ありません。

 あまり過激に書くと、「危険人物」として目をつけられそうですが、少なくとも「期待」する気持ちはありませんし、本当に期待している方がいて、どんな気持ちから期待するのか、ぜひ知りたいところです。

*** 追記 ***
 エライさんの移動は、当たり前ですが警備上の都合で公表されません。伊勢志摩サミットでは、参加者の中部空港と賢島の間はヘリコプタ移動だそうですが、賢島の近場の移動とか、ヘリが天候で飛べない場合は陸上移動です。そうなると普通の道路を使うわけですが、この時のルートとなる道路は全て通行止め。
 この通行止めが、事前に公表されないのです。
 愛知・三重県警では、ツイッターなどで、規制を伝える、ということですが、この規制も始まってから伝えるもので、最悪、インターチェンジや交差点に着いたら、突然一時間も止まってしまうこともあるわけです。

 以前、京都市で何かの世界会議があった際のある日の朝、市バスが各所で全く動かないことになりました。
 こういうのは分かるんです。しかも現地の報告からはバスだけでなく道路上の自動車自体が動かないということに。朝の通勤時間帯です。後で分かったのは、米国大統領が、どこかのお寺(金閣寺だったか?)に出かけたのだそうで、そんな朝にお寺に行くだけで京都市内の交通はマヒ。職場に遅れた方も多数いたと思います。

 これを平気でやるのが、お役所。
 なにが、サミット成功に市民の協力を、ですかいな。成功してイキイキは外務省のお偉方と、A氏だけでしょう。
*** 追記ここまで ****

耐震基準は全国一律ではなかった

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 熊本地震では益城町で震度7という最大級の揺れが二度あるという類まれな地震となりました。
 益城町などで倒壊した建物の中には、耐震基準を満たしているのに、倒壊した建物がいくつかあるそうです。
 これは震度7の強い加速度を一度受け、梁などに歪みがでたところに、もう一度、震度7の強い揺れで、最初の揺れで保てたものの、二度目で倒壊した、ということだそうです。
 そもそも、建物の地震に耐えうる耐震基準は、一つというか一発の揺れに対して耐えうるかで、今回のような二度にわたるものは考慮されていないそうです。

 しかしながら、この耐震基準は全国一律ではなく、強度計算に用いる「地震地域係数」が地域によって違うもので、熊本県ではこの係数が緩めに設定されていたそうです。
 つまり熊本県では、強い地震が考慮されておらず、同じ建物が熊本県では建築基準に合格しても、静岡県や東京都などでは基準を満たさないことになります。

 こういうことは建築の専門の方は知っていたそうです。

 二度の大揺れに加えて、熊本県での耐震基準が緩かったわけですね。

 検索したら、こんなページがありました。
地震地域係数:福岡の建物は東京の耐震基準の8割でOK(合法)

 全国の地震地域係数です。

奈良県を通らない奈良線

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 日経関西発web版記事からです。京都府しか通らず、奈良県には線路が無いのに「奈良線」とはなぜ?という記事、というか話題がありました。
記事:京都府しか通らない「JR奈良線」(とことんサーチ) 名の由来 100年前の再編

 JR西日本の奈良線、起点は京都駅、終点は木津駅で、全線が京都府内です。
 線路は京都~木津間ですが、運行は木津駅まで行く列車は全て奈良駅まで行きます。

 この奈良県を通らない奈良線は、不思議な現象ということで時々話題になりますが、理由はすこぶる簡単。
 昔は「奈良鉄道」だったからです。

 奈良線は国鉄が開通させたのではなく、奈良鉄道という私設鉄道が開通させました。
 明治時代の鉄道路線発展期は、国の鉄道敷設は無理があるので、迅速に鉄道を広げるために民間の資本を導入する「私設鉄道」という事業体で敷設され、全国津々浦々に「鉄道」が広がりました。
 ここでいう「鉄道」とは全国ネットワークを構成するレールウェイで、当時の準拠法である私設鉄道法に規定があり、「国の必要があれば、買収に応じなければならず、これを拒むことはできない」とあり、明治39年の鉄道国有法で全国の多くの「私設鉄道」が国鉄となりました。

 この鉄道国有法で買収された鉄道は、買収前の会社名をそのまま線名としていたようで、奈良線は奈良鉄道(株)。自動的に奈良線となりました。
 名古屋駅から西へ至る関西本線も、私設鉄道由来の路線で、買収前は「関西鉄道」。これをそのまま関西本線としました。
 が、「関西」の読みが違っています。関西鉄道時代の「関西」は漢音読みの「かんせい」。
 しかし、今の関西本線の「関西」は呉音読みの「かんさい」になってしまいました。

私設鉄道法による私設鉄道で、後に国有化で国鉄になった路線は、参宮鉄道→参宮線、成田鉄道→成田線、山陽鉄道→山陽本線、などがあります。日本鉄道と九州鉄道は路線はいくつかあったので、○○線のような具体的な線名でしたが、総括した日本線、九州線という称し方はあったようです。

 少し豆知識。
 「私設鉄道」は、あくまで国のグローバルな鉄道、という位置づけなので、その運営も国の意向があり、運賃制定も自由度が無く、ゲージサイズ(軌間でななく車両限界など)は国鉄に準ずるもので、とても厳しく窮屈で、国のグローバルな鉄道ではなく、一地域のローカルな鉄道という位置付けで規格が緩やかな鉄道の規定が出来ました。
 それが軽便鉄道法で、軌間を含めたゲージサイズは自由、運賃制定も自由で、国鉄と連絡運輸も考慮されない鉄道が登場しました。
 軽便鉄道法の名の通り、軽便鉄道の準拠法ともなり、今でいうナローゲージの軽便鉄道はこの時期にできたもので、私設鉄道法と軽便鉄道法を合体させたものが、地方鉄道法となります。
 地方鉄道法が制定された後背は、私設鉄道が国鉄にほぼ買収され、実態が極めて少なくなり、二つの鉄道法を一つにまとめたものです。

 「私鉄」という言葉の元になったのが、この「私設鉄道」です。

 日経記事にはありませんでしたが、奈良線、開業時は奈良鉄道の稲荷駅の南方、今の名神高速道路交差付近から京都駅までの間は旧東海道本線の線路敷地に敷設されたもので、稲荷駅にあるレンガ造りの危険物倉庫(ランプ小屋)は、現存する国鉄最古の建造物で、東海道本線だった頃の建物です。

北陸新幹線のルートに2案追加

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 京都新聞web版からです。何度か書いている北陸新幹線のルート案で、京都~大阪間のルートに箕面付近を経由する北回りと、関西文化学術研究都市を経由する「南回り」の2案を追加することになったそうです。
記事:北陸新幹線京都-新大阪に2案追加 与党委員会

 与党委員会では、終点を新大阪駅に一本化したとのことですが、京都駅を経て新大阪駅に至るルートで、現在の新幹線に沿ってストレートに新大阪駅に至るルートのほか、北回りと南回りのルートを検討対象にしたとのこと。
京都新聞のルート案画像。


 なんだか、ますます政治路線化していますね。新幹線たる高速輸送交通が、あちらへ寄り、こちらへ寄りでは、高速性が失われます。
 検討対象になったという北回りの箕面は、国際文化公園都市があります。通称「彩都」。南回りの関西文化学術研究都市は、いわゆる学研都市で茨城県の筑波研究学園都市のようなところ。
 いずれも輸送需要や必要性はかなり高い所といえますが、新幹線の最大の役割を考えると、やはりう回過ぎると考えます。

 そもそも敦賀~京都間のルートが、これだけもめて政治路線化している状況。
 京阪間も、箕面だの、学研都市だのあちこちの顔を立てるようなことになると、ルート案は中々定まらなくなります。


 遠く離れた地域で、北陸新幹線の恩恵を受ける我々ではありませんが、昨日は関西のラジオ放送ニュースでも結構大きく取り上げられていました。

公営交通バスの民間委託

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 先日、京都市営バスで、京阪バスに業務委託された運行中、後ドアを開けて走行したことについて書いた記事、頂いたコメントで「市バスでも委託されているのを初めて知った」と頂きました。
 この公営バスでの民間事業者への業務委託について書いてみます。

 公営バス、平たく言えば「市バス」を何故民間委託するのか?は、ズバリ経費節減。
 公営交通の持つ業務の不効率や、労働集約産業である乗合運送事業故の人件費の高騰で、公営交通の会計は累積赤字が膨大。そこで経営改善で乗合事業を効率的に民間にやってもらおう、という内の選択肢の一つが、乗合運送事業の業務だけを他者に委託する方法(業務委託)と、運送事業そのものを民間の他社に移譲する方法(路線移管)があります。
 前者は、実際にバスを運転する人や整備担当の仕事を委託させるもので、輸送事業の当事者は公営交通のまま。車両は公営交通のものですが、中に乗って運転する人は民間会社の人ですが、制服は公営交通のものを着用するのが基本です。京都市交通局、名古屋市交通局、神戸市交通局、東京都交通局など。
 京都市交通局は、一部の営業所で、新聞記事になり運輸局から指導が入った京阪バス、阪急バス、近鉄バス、に委託しております。
 名古屋市交通局は、一部の営業所で、三重交通、名鉄バスに委託、神戸市交通局は一部の営業所で阪急バスに委託しています。

 後者は、公営バス事業の廃止、運行するその路線は、民間バスの路線として再発足するもので、公営交通当時そのままの系統を受け継ぐのか、全てを再編するのかは、状況によって変わります。
 この方法をとったのは、岐阜市交通部→岐阜乗合自動車(岐阜バス)、浜松市交通部→(遠鉄バス)、明石市交通部→山陽バス、姫路市交通局→神姫バス、等々で、この場合は、旧公営バスの乗合路線バス事業は廃止となり、旧公営バスの乗車券では乗車できません。定期券は有効期間内は継続乗車できることもあるようです。


 乗合路線バス事業の別事業者委託は、民間バス事業者でも行われており、神戸市交通局のバス事業を一部受託した阪急バスが、一部の路線で、神鉄バスと阪急田園バスに委託しております。
 地元、名鉄バスも、一部路線を名鉄バス東部(株)と名鉄バス中部(株)に分社化したほか、名鉄バスの事業の一部路線を、東濃鉄道に委託しているほか、高速バスの一部運行に名鉄観光(株)に委託しております。

 こうした、乗合路線事業を他社に委託させることは禁じておりましたが、2006年の道路運送法改正により、過疎地以外の都市部を運行する路線でも受委託が出来ることになりました。
 このような路線バス事業を委託(実際に運行する社は「受託」)させる場合は、本来の運送事業者から委託させる事業者に委託料を支払い、実際に運行する受託した社は、運賃収入は本来の事業者に収めるもので、ダイヤの制定は本来の事業者が制定します。
 ただ旅客に公示する運送ダイヤは本来の事業者が決めますが車両運用は受託した社が決めることができます。
 つまり回送時刻は、車両運用に係わりますので、受託した社が決めることになります。

 この乗合運送事業の委託では、3年前から始まった「新高速乗合バス」が盛大な委託事業。
 それまで、乗合運送ではない、ツアー形式の高速バスはいわば脱法行為なので、新たに乗合運送事業とさせるために導入されたのが「新高速乗合バス」。
 つまり、ツアー形式のバス運送は、ツアーを主催する旅行会社とお客さんの関係で、旅行会社が車両を貸切る形で「旅行」を実施していましたが、新高速乗合バスでは、乗合バス事業者が運送を行うものの、車両数や乗務員数が足りないので、従来のツアー形式のバスで用いられていら貸切バス事業者に運送委託させることができる制度です。

名古屋市交通局での民間バス会社に委託している系統と車両。
浄心営業所は、三重交通に委託しており、この左側の車両は交通局の車両ながら、運転する人は三重交通の方です。

この系統は、名古屋観光ルートバスメーグル。メーグルは、名古屋市経済局が運行する観光バスで、実際の運行は名古屋市交通局に「委託」しております。
名古屋市交通局からするとメーグルは経済局から「受託」しているわけですが、担当営業所は浄心。
なので、メーグルは、名古屋市経済局からすると、二重に委託しているわけです。

もう一つ、同じく浄心営業所の担当系統、栄758系統。車両は名古屋市交通局ですが、運転している人は三重交通の方です。



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本題とは別です。

 神戸市北区で新名神の架橋工事で、架橋作業の橋桁が通行中の道路に落下した事故で、現場となったすぐそばの店舗の防犯カメラが、落下する様子をとらえていました。
 昨日の神戸新聞に記事がありましたが、同じ動画が毎日新聞web版にもありますので、ここに載せます。
こちら。リンク先に動画があります。

 最初は画面からは橋桁は写っていませんが、次第に上から降りてきて、画角に入りするとドスン!と落ちます。
 分離帯付き片側二車線の道路、落下現場からこちらへ向かう自動車が連続して流れている、たまたまわずかに切れたところに落下して、自動車に当たらなかったのはまさしく不幸中の幸いでした。

 この防犯カメラは、ひまわりライフ北神戸店のもので、ひまわりライフとは、造園等の工事をする工務店のようです。

車両通行禁止で自動車が通る本町通・一宮市

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 一宮市の本町通商店街。アケードのある商店街です。地方都市によくあるシャッター街とまではいきませんが、往時の勢いは失われています。

 ここの商店街道路は日中の午前11時から午後8時までは軽車両を除く車両通行禁止で、自動車は当然通れません。
 しかし、毎週月曜日の商店街休業日は、時々自動車が通るのを見かけます。
 そこで、月曜日の今週頭、4月25日に商店街の2・3丁目境界を横切った際の様子です。

 待つほども無く、自動車が走るのを見かけます。
 親子連れが歩く後ろを自動車が接近。


 間違えて入ってきたのか、意思をもって本町通に入ってきたのか、この交差点で一宮駅の方へ左折していきました。(不本意ですが、ナンバーは隠しました。)


 商店の自動車なのか、ざっと見たところ、二台が駐車中。


 規制時間外に入ってきたとしても、駐車禁止になります。駐車禁止は24時間適用。

 自動車が通るので、歩行者道路を示す標識の衝立も、横に除けられています。


 夜間は自動車が通れるので、キャスター付きで移動できるようになってますが、月曜日昼間のこれは、運転者が勝手に横に除けたのだろうと思います。

 一宮市中心部のある住宅街、一方通行を無視して、駐車場出入りしているのが普通の地区があります。
 幹線道路から駐車場の出入りで、一方通行を正しく通れば迂回になることから、直近の道を一方通行を無視して通るわけですが、これが一宮市の交通安全の実態です。

 知事が言っておりましたが、愛知県の交通事故の多い地区として尾張、それも一宮市、と頭を抱えて。

 他にも携帯電話片手に運転して、一旦停止をせずに交差点進入の車もあり、一宮市では交通事故死はおろか交通事故は無くなりそうもありません。

地形が変わった南阿蘇村阿蘇大橋付近・豊肥本線も

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 MSNへ配信の朝日新聞記事からです。一連の熊本地震で、16日未明の最大震度7の地震で、南阿蘇村で国道57号線沿いの山で斜面崩壊があり、国道57号線とこれにT字路の形で合流する325号線の阿蘇大橋が流されてしまいました。
 この阿蘇大橋の復旧で、同じ場所に架橋するのでは、同じ災害に見舞われる恐れがあり、別ルートで325号線を復旧したほうが良い、とのことです。
記事:崩落の阿蘇大橋「復旧より別ルート確保を」 土木学会

 なぜこの記事が気になったのかと言えば、阿蘇大橋に合流する国道57号線に並行して、JR九州の豊肥本線が通っています。
 これまでいろいろなチャンネルの画像を見ると斜面崩壊した山の山頂付近は大きくえぐられていますが、その下部、つまり土砂が行き着く先の57号線付近は単なる堆積かと思ったら、下部の線路と57号線付近でも少しえぐられているようで、つまりは地形が変わってしまったわけです。
 道路の復旧もさることながら豊肥本線がどうなるのか、が気になるわけです。

MSN記事から土砂崩壊の現場。この土砂に埋まった部分から左へ阿蘇大橋がかかっていました。



youtubeの国土地理院チャンネルから。
【国土地理院】 阿蘇大橋周辺の土砂崩れ箇所


グーグルマップの空中写真から、3Dにした崩壊した部分の山と阿蘇大橋の様子。


現場地図。Mapionから。中央やや右のセンターポイントの+字付近が阿蘇大橋。


 しかし、この山斜面崩壊で土砂が57号線に並行する川、「黒川」の流れをせき止めなくてよかったです。
 この黒川は阿蘇の火口原(カルデラ)から流れる川の一つで、流れをせき止めると湖が出来ます。
 1984年長野県西部地震では、御嶽の山体南東部斜面が崩壊し、その土砂は峰を超えて流れ下り、王滝川の流れをせき止め、湖ができました。

 また遡ること約300年前、宝永の富士山噴火では、多量の火山灰が今の御殿場線沿いの酒匂川をせき止め、かりそめの湖ができましたが、その後の地震でせき止めた土砂が崩壊し、湖の水が一気に流れ下り、小田原の城下に被害をもたらせた、ということがありました。

 今回は、黒川の流れはせき止められていませんが、もし流れをせき止めていたら、その上流のカルデラに向けて湖が出来、せき止めた土砂は不安定。今後の余震で崩壊し、溜まった水が一気に流れ出る、という二次災害が憂慮されていました。

 これだけ地形が変われば、豊肥本線の復旧は、年単位ではなく熊本城と同じく十年単位になりそうです。

避難所と避難場所は違っていた

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 今回の一連の熊本地震報道で初めて知ったのですが、「避難所」と「避難場所」は似て非なるものであることを初めて知りました。
 これまで言葉の言い回しの違いだけだと思っていたら、福岡と博多の違いぐらい違うそうで、調べてみました。

 つまり「避難所」とは、災害により現在の住居で住まい出来ない場合に一時的に住まいとなるところ。「避難場所」とは、正式な名は「緊急避難場所」で、別名が「広域避難場所」とも言うそうで、そういえば「広域避難場所」の文字は各地で見かけます。
 広域避難場所は、緊急に一時的に避難する場所。

 2013年改正の災害基本法で正確に定義されたとのことです。
東京消防庁:広報コラム参照
文部科学省:「緊急避難場所」と「避難所」について(PDF資料)

 避難所は、一時的な住まいとなるものなので、水、食料、簡易トイレ等の暮らしに必要な物資が常備され、災害時には支援物資の配給場所ともなるもの。
 避難場所(広域避難場所)は、緊急にとりあえず避難する場所で、津波避難場所もこれに該当。

 というわけで、自治体での言葉の違いだけと思っていたら、かなり違っているものでした。
 毎日が勉強勉強ですね。
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