昨日の朝、名鉄名古屋本線岐南駅で上り線を走行する普通列車が、本来停まるはずの駅ホームを行き過ぎて、本線上に飛び出して止まったそうです。
最初、CBCラジオの交通情報速報で、「岐南駅ポイント故障で、一宮駅~岐阜駅間で運転見合わせ」と伝えられ、朝ラッシュ時にえらいことや、と思いました。
その日の夕方ニュースでは、駅に停まる列車の電源が故障し、通常のブレーキがきかず、最後は非常ブレーキで止めて、待避線と本線が合流するポイントを壊して止まった、と伝えていました。
要するに車両故障なのですが、私が一番気になったのは、故障でブレーキがきかなかったことではなく、ホームを行き過ぎたポイントを壊した、というところ。
新聞記事の通り、岐南駅は駅ホームのある線路は、本線から分かれた待避線に面してホームがあるので、駅に停まる列車は、待避線に入ります。
ここからが疑問なのですが、一般的に、待避線に入るには、待避線の進入側のポイントを待避線側に開通させます。
同時に、出発側も待避線側に開通させるのが一般ですが、この新聞記事や、昨日のNHKラジオの伝え方では、待避線に入った列車がオーバーランして、出発側のポイントを壊したとあるので、出発側のポイントは本線側に開通していたと解せます。
ここがおかしい。
鉄道の基本のキとして、停車場進入の際はオーバーランを考慮して、出発側の進路を開けます。(開通はさせない)
でも改めて、岐南駅の信号設備を確認すると、上り線の待避線側にホームの手前に第二場内信号機があり、信号配置から、待避線到着時には、出発側のポイントは本線側に開通させていた可能性が高いようです。
出発側のポイントが、待避線側に閉じていると、滑走余裕距離が無いので、ホーム手前の第二場内信号機は「YY」の警戒信号が現示されます。
この文章書く前は、ポイントの開通方向に疑問を持っていましたが、こうして資料を基に考えると、ポイントの開通方向も納得です。
であれば、何故電源故障があったのだろう。当該の車両形式は、特急一般車増結用の1850形2両組成です。元は7500系パノラマカーの電機部品を流用した、2両とも電動車の編成。かなりの電気容量で、特急走行時にブレーキをかけると、ほんのり焦げ臭い匂いがします。
新聞記事の写真では、お客さんを降ろす様子が載っていますが、別の報道では故障が直ったと判断して、運転を継続したとのことです。
これはちょっと具合が悪い。営業で運転を継続したのか、回送にして走行したのかは分かりませんが、本線走行には不適当ではないだろうか。
今朝の中日新聞記事スキャナ。
この岐南駅の上り線出発側のポイントは、本線側に固定することで、運転を再開。
普通列車は、岐南駅を通過扱い。その他の通過列車も岐南駅で一旦停止の上走行する、という運転で運転再会しました。
壊れたポイントを交換して、今朝から正常運転に復帰したとのことです。
*** 追記 ***
6月5日の中日新聞朝刊では、電源故障したという列車、連結器が雨水でショートした、ということらしいです。電源故障はまぁ分かるものの、非常に由々しき事態であったこと。故障した列車がその後運行を再開したというのは、なんと営業で終着須ヶ口駅まで運行したとのこと!これはビックリ。
さらにもう一つ、さらなる由々しきことは、この故障してオーバーランして岐南駅のポイントを壊した後、通過列車が3本あったこと。
あれ、ポイントが壊れた後、通過列車が3本あったということは、出発信号機が「青」の「進行」現示が出ていたことになりますね。
しかも本線側に転換していたものを、待避線側から無理に「割出」して、壊れて。
そんな状態で本線側に鎖錠がかけられるのか?
進路構成すべくポイントを転換した後は、鎖錠がかかって、その進路に対して進める信号を出します。
この3本目の通過列車を退避した普通列車が、発車しようとしたら、信号が変わらなかった、という報告が名鉄指令にあり、それがNHKのニュース報道の文章になったわけでしょう。
この記事にあげた4日の新聞記事で、お客さんがドアから階段を伝って降りる光景は、故障当該列車ではなく、信号が変わらないと報告したその後続の特急列車だったわけです。
しかも記事の時間からして停止後2時間以上もたってようやく「救出」された訳ですね。お気の毒さまです。朝の通勤時、立っている方もいたと思います。
ようやく、時系列での出来事が分かりました。
でもいろいろ疑問が残る「事件」です。何故、電源故障した列車はそのまま運行を継続したのか。
ポイントが壊れても鎖錠が保てるのか。
今のところ運輸安全委員会の調査対象になっていませんが、調査対象とすべく、インシデント事案だと考えます。
最初、CBCラジオの交通情報速報で、「岐南駅ポイント故障で、一宮駅~岐阜駅間で運転見合わせ」と伝えられ、朝ラッシュ時にえらいことや、と思いました。
その日の夕方ニュースでは、駅に停まる列車の電源が故障し、通常のブレーキがきかず、最後は非常ブレーキで止めて、待避線と本線が合流するポイントを壊して止まった、と伝えていました。
要するに車両故障なのですが、私が一番気になったのは、故障でブレーキがきかなかったことではなく、ホームを行き過ぎたポイントを壊した、というところ。
新聞記事の通り、岐南駅は駅ホームのある線路は、本線から分かれた待避線に面してホームがあるので、駅に停まる列車は、待避線に入ります。
ここからが疑問なのですが、一般的に、待避線に入るには、待避線の進入側のポイントを待避線側に開通させます。
同時に、出発側も待避線側に開通させるのが一般ですが、この新聞記事や、昨日のNHKラジオの伝え方では、待避線に入った列車がオーバーランして、出発側のポイントを壊したとあるので、出発側のポイントは本線側に開通していたと解せます。
ここがおかしい。
鉄道の基本のキとして、停車場進入の際はオーバーランを考慮して、出発側の進路を開けます。(開通はさせない)
でも改めて、岐南駅の信号設備を確認すると、上り線の待避線側にホームの手前に第二場内信号機があり、信号配置から、待避線到着時には、出発側のポイントは本線側に開通させていた可能性が高いようです。
出発側のポイントが、待避線側に閉じていると、滑走余裕距離が無いので、ホーム手前の第二場内信号機は「YY」の警戒信号が現示されます。
この文章書く前は、ポイントの開通方向に疑問を持っていましたが、こうして資料を基に考えると、ポイントの開通方向も納得です。
であれば、何故電源故障があったのだろう。当該の車両形式は、特急一般車増結用の1850形2両組成です。元は7500系パノラマカーの電機部品を流用した、2両とも電動車の編成。かなりの電気容量で、特急走行時にブレーキをかけると、ほんのり焦げ臭い匂いがします。
新聞記事の写真では、お客さんを降ろす様子が載っていますが、別の報道では故障が直ったと判断して、運転を継続したとのことです。
これはちょっと具合が悪い。営業で運転を継続したのか、回送にして走行したのかは分かりませんが、本線走行には不適当ではないだろうか。
今朝の中日新聞記事スキャナ。
この岐南駅の上り線出発側のポイントは、本線側に固定することで、運転を再開。
普通列車は、岐南駅を通過扱い。その他の通過列車も岐南駅で一旦停止の上走行する、という運転で運転再会しました。
壊れたポイントを交換して、今朝から正常運転に復帰したとのことです。
*** 追記 ***
6月5日の中日新聞朝刊では、電源故障したという列車、連結器が雨水でショートした、ということらしいです。電源故障はまぁ分かるものの、非常に由々しき事態であったこと。故障した列車がその後運行を再開したというのは、なんと営業で終着須ヶ口駅まで運行したとのこと!これはビックリ。
さらにもう一つ、さらなる由々しきことは、この故障してオーバーランして岐南駅のポイントを壊した後、通過列車が3本あったこと。
あれ、ポイントが壊れた後、通過列車が3本あったということは、出発信号機が「青」の「進行」現示が出ていたことになりますね。
しかも本線側に転換していたものを、待避線側から無理に「割出」して、壊れて。
そんな状態で本線側に鎖錠がかけられるのか?
進路構成すべくポイントを転換した後は、鎖錠がかかって、その進路に対して進める信号を出します。
この3本目の通過列車を退避した普通列車が、発車しようとしたら、信号が変わらなかった、という報告が名鉄指令にあり、それがNHKのニュース報道の文章になったわけでしょう。
この記事にあげた4日の新聞記事で、お客さんがドアから階段を伝って降りる光景は、故障当該列車ではなく、信号が変わらないと報告したその後続の特急列車だったわけです。
しかも記事の時間からして停止後2時間以上もたってようやく「救出」された訳ですね。お気の毒さまです。朝の通勤時、立っている方もいたと思います。
ようやく、時系列での出来事が分かりました。
でもいろいろ疑問が残る「事件」です。何故、電源故障した列車はそのまま運行を継続したのか。
ポイントが壊れても鎖錠が保てるのか。
今のところ運輸安全委員会の調査対象になっていませんが、調査対象とすべく、インシデント事案だと考えます。