Quantcast
Channel: mitakeつれづれなる抄
Viewing all articles
Browse latest Browse all 810

饋電区分内の列車数によっては、架線への負担が高まることも

$
0
0
 6月21日は、未明から梅雨本番の激しい降雨となり、新幹線の走行区間である静岡県は激しい雨となりました。そこで東海道新幹線は雨量が運転規制値を上回り、静岡県内の多くの区間で運転見合わせとなりました。
 その雨が弱まり順次運転再開された後、夜になって、大阪府内で停電が理由で運転ができなくなりました。

 高槻市内で架線が切れているのが見つかり、応急復旧をして、22日午前1時頃から不通区間に停止中だった列車を順次運転再開させましたが、21日は終日大混乱。

 架線がなぜ切れたのかは、本当のところは分かっていませんが、停電になる前に現場を通過した列車の車両を点検したら、集電装置(パンタグラフ)近くの屋根に穴が開いていたとのこと。

 その理由は分かりませんが、現場付近、停電した当時は、架線の饋電区分内に多くの列車が存在していたとのことで、そこで変電所からの饋電容量が増大し、架線と車体の間で放電が発生し、そのアークで屋根に穴が開いたのではないか?という推量。
NHKニュース関西:新幹線架線 列車通過時に異常か
ANNニュース:【報ステ】新幹線停電…車体に“穴”見つかる

 つまりは、この架線切断も、間接的に午前の大雨の影響であったかもしれません。

 以前にありました。新幹線ではありませんが、ダイヤが乱れて、おる区間の列車が一時的に集中し、架線の饋電区分内に在線する列車が多数に上った結果、各列車が力行(りきこう=ノッチを入れて加速しようとする)すると、当然架線電圧が下がります。
 一方で、電流は大量に流れることとなり、結果、架線からの放電が発生し、車体に放電が当たったため、屋根から煙が出た、という事故がありました。
 架線からの放電は、早い話が雷ですね。
 新幹線でそういった現象が起きた結果、架線切断に至ったのかもしれません。
 架線切断は、アークが発生すると高熱となり、架線の材料である銅が溶けてしまいます。
 つまりは、溶断です。

 たしか鉄道技術研究所で、こうしたケースを防ぐためのシステム開発を行っていると聞きましたけど、ダイヤが乱れるというイレギュラーな場合で、なかなか実用化には至っていません。

 結局、運転見合わせが解消されると、その運転見合わせ区間の手前で滞っていた列車が一気に動き始めますので、運転整理上でも不都合なことが起きます。停車場における列車の進路構成で、列車選別に時間がかかり、駅手前で列車が渋滞します。
 高槻市の現場も新大阪駅の手前約10kmに位置するところで、新大阪駅の進入待ちの渋滞が起きていただろうと想像さRます。
 饋電区分は20kmほどありますので、この間に数列車が存在していたことは、十分想像できます。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 810

Trending Articles