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Channel: mitakeつれづれなる抄
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東海道新幹線が雪に弱いわけ

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 今日も乗り物ニュース記事からです。少し前ですが、気になっていたので。
 昨日・今日もそうですが、先週は大雪で、東海道新幹線、岐阜・滋賀県境の辺りは積雪で、新幹線列車が行きで遅れるのが通例となり、実際に遅れが発生しました。
 雪が降るたびに、東海道新幹線は遅れるので、「新幹線は雪に弱い」というイメージがあるようです。それはなぜか?というのがこの記事。
記事:東海道新幹線なぜ雪で遅れる? 減速運転のワケ 背景に「先駆者」の悩み

 東海道新幹線は、雪が降ると、というか「積ると」、速度を落とします。
 列車速度を落とすと、到達時刻が遅くなるのは直ぐに分かることです。

 つまり「雪が降る→線路に雪が積もる→速度を落とす→よって遅くなる」という図式です。
 そのため、新幹線は雪に弱い、ということですが、積雪による排雪抵抗(雪を除けるのに力がいる)という誤解があるようですが、実は違っています。

 開業当時、新幹線は岐阜・滋賀県境の積雪地帯を、積雪時も200km/hで走行していました。
 積雪となった200km/hで走行するのは、すさまじい雪煙で、米原駅で通過列車を見ると、まるで雪だるまが200km/hで走行しているかのような光景だったそうです。
 しかし暫くすると、なぜか故障が頻発。当初は開業後間もない頃だったので、初期故障だろうと思われていました。
 どうしても原因が分からない。そこで雪の中、米原駅で通過する場面を見たところ、雪煙を巻き上げるということは、床下に巻き上げた雪が固まり凍り付くことになります。
 この氷が、雪の無い暖かい所で走行すると、溶けて車体から離れ、氷の塊はそのまま200km/hで軌道のバラスト(砂利)に当たり、その当たった砂利が跳ね上がり、今度は床下に当てたりして機器の故障につながる他、沿線の建造物にも、跳ね上げた砂利が直撃することとなり、その対策を図ることになりました。
 その対策として、雪を巻き上げさせないこととして、雪の質量を増やす方策として、スプリンクラーを設け、、積雪時にはスプリンクラーを作動させて水を撒き、雪をザラメ状に固めて床下に舞い上がりにくくするもの。
 さらに列車速度を落として風圧による巻き上げを防止する、という対策。

 この最後の列車速度を落とす、ということで列車遅延になります。

 岐阜羽島駅~栗東信号場間は、積雪対策としてスプリンクラーが設置されています。
 降雪検知器により、ほぼ自動で作動します。

 そもそも論として、そんな積雪地になぜ新幹線を通したのか、という方がいらっしゃるそうです。
 新幹線計画時には、そのような雪害が発生するとは、だれも予想がつかなかったものです。
 在来線はせいぜい110km/h走行(当時)のこととて、雪を舞い上げて、床下にこびりつき・・・というほどにはなりませんでした。

 それと現在の東海道新幹線は、戦前の弾丸列車計画の焼き直しで、何の疑いも無く、関ケ原を通すことになりました。
 東京~大阪間の交通は、どこを通っても積雪地帯を抜けねばなりませんが、中々このような雪の影響は、思いもつかない結果でありました。

 後に開通した、東北新幹線、上越新幹線は徹底した雪対策を施してあり、雪が理由で遅延することはかなり少ないです。
 ・上越新幹線 消雪装置の導入
 ・東北新幹線 軌道脇に貯雪スペースを設置。
 ・両新幹線車両、ボディマウントとして、床下機器をすっぽり覆う。等々。

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