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Channel: mitakeつれづれなる抄
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思わぬところから火の手

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 既に報道で多く伝えられていますが、昨日の夕方、神宮外苑でのイベントで、展示されているオブジェが燃え、中にいた男児が死亡し、その父親ともう一人の方が火傷を負う、事故がありました。

 その後の続報では、このオブジェ、木製で中にはおがくずのような小さな木くずが敷かれ、それを照らすような照明があり、その照明の中に白熱電球があったそうです。
朝日新聞記事:神宮外苑火災「白熱電球使った」 LEDだけの予定変更

 そこでピンと来ました。この白熱球だな。
 おがくずが蓄熱され、そこから火が発生したのでしょう。
 ちょいと物理が分かると、理解できるものです。

 つまりは白熱電球は、熱で光を発する構造です。その白熱電球から近い所にある物体は、常に熱せられており、どんどん蓄熱されます。蓄熱というのは、熱が加えて蓄えられる状態です。おがくずのような物体は着火しやすいもので、過剰に蓄熱された空間に適度な気流があれば、炎が上がります。おがくずは引火しやすく、火の手が上がれば瞬く間に広がる、というのは十分想像がつきます。

 ちなみに、昔の火打石で火を起こす場合も、火口(ほくち)となるものに火花をあて、小さな火種となったところに、火箱と呼ばれるおがくずが入った箱に火を移して、いろいろな火種とします。

 火事、火の元は意外なところから発火するものです。
 過去の火事には、窓際に置いた水入りの花立てに使われていたフラスコが元で発火したことがあります。
 フラスコの下部が球体で、レンズの効果で太陽光が集光されるけっかとなり、その集光した焦点にたまたまあった紙が発熱し、それが発火して火の元となった火事があります。

 漏電やガスの元栓はしっかり確認しても、こうした意外なところから火事が起きうるものです。
 昨日の火事も、まさか火が上がるとは思ってもみなかったと思います。

 自然科学の知識がちょいとあれば防げられたり、可能性の予期で消火の準備なりできた、と思います。
 普通の方にそこまでの自然科学の知識を要求するのは無理かもしれません。
 電気製品のコードを曲げて使用したりすると、その曲がったコードの部分で抵抗が高くなり、そこが発熱して火災が起こる、というものも、物理つまりは自然科学の知識です。
 自然科学は難しいものではなく、身とその周りを護るものでもあります。

 しかし、このところ、小さな子供が事故で亡くなるニュースが続き、心痛な想いです。

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