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Channel: mitakeつれづれなる抄
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新幹線と並行在来線の廃止(経営移管)

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 昨日は北海道新幹線の開業日。テレビなどマスコミでは、お祝いムードいっぱい。しばらく前から開業に期待する情報が多く、北陸新幹線のときほどではなかったですが、新幹線開業による負の部分が感じられなかったです。

 このところ何度か北陸新幹線の敦賀~大阪間ルートについて、新聞記事からいろいろと動きがあることに触れてきました。
 北陸新幹線にはさして関心があるわけではないですが、日本海縦貫線の輸送が新幹線鉄道に移るわけですので、その点で大きな関心がありますし、「並行在来線」の扱いの面でも気になるところです。

 この「並行在来線」、単に「並行している在来線」ではなく、整備新幹線の建設スキームの枠組みで、JRから別企業体へ経営移管されるものとしています。

 弊ブログ、北陸新幹線大阪延伸の記事で、東海道新幹線に並行している東海道本線はJRのままですが、これはなぜ?というコメントがありました他、実際にそのような疑問を私にぶつけてきた方がいます。
 そこで今日は、整備新幹線の建設スキームについて、浅学から少し書いてみようと思います。


 整備新幹線とは、全国新幹線計画のうち、昭和48年(1973年)に整備計画を発表した路線で、それ以前は全国新幹線3000km計画と言われていました。
 その新幹線3000kmのうちで、日本国の国土幹線鉄道として整備するという路線が整備新幹線。

 国鉄時代の計画で、国鉄が大赤字で新線建設は鉄道建設公団の仕事、整備新幹線のうち東北新幹線の東京駅~盛岡駅間、上越新幹線の大宮駅~新潟駅が着工されたものの、国鉄解体、JR各社発足で、新幹線建設の莫大な費用をどうすべきか、が決まらず、その後の整備新幹線計画は凍結されました。
 JR各社発足後、当時の運輸省から整備新幹線の整備計画を改めて発表、ミニ新幹線や新幹線の構造物を造って、在来線ゲージの鉄道を高速で走らせるなどの案が出たものの、フル規格で整備新幹線を整備するという方針。
 そこで、1996年に政府与党合意として建設スキームができました。
1,沿線自治体(都道府県)から建設費用一部の負担を求める
2,並行在来線は、JRの経営安定のため、JRの経営から切り離す

 というもの。この整備新幹線建設スキームで建設が始まったのが、東北新幹線の盛岡駅~新青森駅間、北陸新幹線。
 北陸新幹線が高崎~長野間を先行して着工・開業したのは、長野冬季オリンピックに間に合わせるためで、運行開始後は路線名の「北陸新幹線」を前面に出さず、「長野行新幹線」という名称で案内しておりました。

 ちなみに、東海道新幹線など以前からある新幹線は、新線計画ではなく、増設線として敷設されたものです。
 なので、国鉄時代は「東海道新幹線」という路線名はありませんでした。
 現在も、JR各社の線路名称では、国鉄時代の線路名称を引き継いでいるため「東海道新幹線」という線路名はありません。
 JR化後はもう一つ線路名を定める根拠があり、運輸省(現在:国土交通省)に届け出た基本事業計画に基づいた線路名。こちらでは「東海道新幹線」という名称があります。
 基本事業計画に記された線路名というものは、国鉄再建法(日本国有鉄道経営再建促進特別措置法)の施行令別表い記された線路名に基づいているもののようです。

 この辺りまともに書くと長くなりますので、さらりと流しますと、それまでの「○○線」というのは、国鉄(日本国有鉄道)の内部規定である線路名称で規定されたもので、国鉄再建という大ナタを振るうために「○○線」という名前に法律上の根拠を与えるために、国鉄再建法施行令で線路名を定めたものです。
 この国鉄再建法施行令で定められた線路が、を国交省に届け出てある事業基本計画に記載されているようです。

 つまり、JR東海の線路名称では、東海道新幹線という線路名はありませんが、国土交通省での線路名称では東海道新幹線という線路名があります。
 ついでに、JR各社(除:JR四国)の線路名称では「○○本線」とうものが、国土交通省届け出の事業基本計画に記載の線路名では、単に「○○線」です。
(例:東海道本線 OR 東海道線)

 というわけで、東海道新幹線に並行する在来線は「並行在来線」ではなく、今でもJRの経営によるものです。
 東海道新幹線はJR東海の線路名称では、そんな名称が無いと書きましたけど、あくまで東海道本線の増設線ですので、JR東海の線路名称による線路名では「東海道本線」です。
 ただ区間表記が違っており、「東海道本線 東京・神戸 間」の中には含まれず、「東海道本線 東京・新神戸 間」という記載になっています。
 東海道本線を名乗る線路が幾つかあり、その一つになっています。


 ところで、web上の地図では、印刷の地図と違い、更新がリアルタイムにできます。
 いつもお世話になっているマピオン(Mapion)が北海道新幹線開業前の前日25日、早速地図に記載されました。
 北海道内では、津軽海峡線の一部であった、江差線が並行在来線として、道南いさりび鉄道として経営観されましたが、その時点では、江差線はJR北海道の経営路線でしたので、線路が国鉄方式のJR線路記号。
 画像を保存しておきました。


 ところが、27日午前0時半現在、Mapionの江差線は、未だにJR線記号のままです。

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