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京王相模原線、加算運賃を引き下げへ

 ツイッターでわだいになっており、気になる内容でしたので、ブログにまとめてみます。京王電鉄の相模原線、調布~橋本間の区間のうち、京王多摩川~橋本間の乗車について、加算額を上乗せして運賃設定をしていますが、この加算額が引き下げる、ということです。実は当初、この情報に触れた時、加算額撤廃かと誤解していました。あくまで加算額を引き下げる、つまり低減させることですね。結果、一部の区間で運賃が安くなるところが、現れてきます。
マイナビニュース:京王電鉄、相模原線の加算運賃引下げ - 新宿~橋本間420円、2018年3月から
response記事:京王多摩川~橋本含む区間で値下げ…京王電鉄、相模原線の加算運賃を引下げへ
京王電鉄告知:相模原線に設定している加算運賃の引下げを実施します(PDF)

 加算額というものは、基準賃率よりも上乗せして運賃設定をするもので、都市基盤(ニュータウン)としての街づくりには鉄道が必要です。しかし鉄道建設には莫大は費用がかかることから、その費用回収のために認められた制度です。
京王相模原線は、調布駅~橋本駅間のうち、調布駅~多摩川駅間は戦前に開通した古い区間ですが、戦後の高度成長期に計画・開発された多摩地区のニュータウン計画(多摩ニュータウン)の交通機関として、小田急電鉄と京王帝都電鉄(当時の名称)が建設にあたることになりました。
 小田急の多摩線は、全区間がまるまる新設鉄道ですが、京王新線は、多摩川線を延長する形で、多摩川駅から先を新しく建設したもので、この多摩川駅~橋本駅間が新鮮区間。この区間の乗車に加算額を設定しています。
 京王相模原線の新線開業から日も経ち、乗客数が増え、建設費の回収ができてきたことからの加算額の低減です。
 低減であって、撤廃ではないんですね。

 こうしたニュータウン鉄道の加算額で、加算運賃を撤廃した例はあります。東急電鉄の田園都市線。田園都市線は今は渋谷駅~中央林間駅間ですが、以前は二子玉川園駅~中央林間駅間でした。渋谷駅~二子玉川園駅間は新玉川線で、新玉川線はまるまる都市の地下鉄、そして二子玉川園駅と長津田駅を跨ぐ乗車について加算額を10円を上乗せして設定していました。つまり二子玉川園と長津田を跨いで乗車した場合は20円の加算でした。
 これを何年か前の東急全体での運賃改訂が行われた際、二子玉川駅と長津田駅を跨いだ場合の加算額が撤廃されることとなり、東急全体の運賃改訂(早い話が値上げ)では、対キロ区間制の運賃区分の刻みが変わり、キロ帯によっては運賃額が変わらない区間もありました。
 この運賃が変わらないキロ数で、二子玉川駅または長津田駅を跨いだ区間で、純粋に加算額が撤廃された分だけ10円値下げになった区間がありました。
 これが結構話題になり、「運賃値上げ」と言いながら、「運賃が下がった」ということでした。この時の田園都市線の駅がたまぷらーざ駅や鷺沼駅などかなりメジャーな駅発着の区間だったので話題になり、私が知ることになったのかな。

 この加算額運賃はこの地域の鉄道でもあります。この地域の鉄道は、名鉄(名古屋鉄道)。北から順に羽島線、豊田線、空港線、知多新線で加算額があります。
 さらに加算額とは少し意味合いが違いますが、運賃計算キロを実際の営業キロ数より少し多めに擬制する「擬制キロ」というものがあります。早く言えばローカル線の割り増し運賃で、名鉄の場合、営業キロそのものは名古屋本線だけで、ほかの路線は全て擬制キロで割り増しです。名鉄の幹線である犬山線、常滑線ですら1.15倍で、尾西線などのローカル線は1.25倍です。
 ちなみに豊田線は1.15倍ですが、新線加算額の加算は営業キロに準じて30円~70円の割り増しです。

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