Quantcast
Channel: mitakeつれづれなる抄
Viewing all articles
Browse latest Browse all 810

エスカレータで車いすごと搭乗し転落・後方の女性が死亡

$
0
0
 MSNニュースからです。「エスカレータで車いす転倒」との見出しがあり、何だろうと本文をクリックしたら、高松市のショッピングセンターで、上りエスカレータに車いすごと搭乗したものの、ステップから床面に降りる所で躓き転倒、そのまま後方に転落したとのことです。
記事:エスカレーターで車いす転倒=女性が巻き込まれ死亡-香川県警

 どういう事情があったのか存じませんが、車いすに搬送者を載せたままエスカレータに乗るのは、とても危険です。
 今回、高齢者夫婦だったとのことで、どんな事情があったのかは分からないので、簡単に批判はできませんが、人一人を巻き込み、しかも死亡に至らせていますので、重過失致死は免れないと思います。

 エスカレータは、当然人が立って利用することを前提に作られています。ショッピングセンターなどでは、買い物用のカートの利用も禁じています。
 上りの場合、一つ前のステップにかけて、後ろから押さえておけば登れそうですが、「万一」のことがあると重大な事に至りますので、エスカレータでは、ショッピングカート・ベビーカーの搭乗は禁じています。とすると車いすは?ですけど、車いすで搭乗することは想定外で有り得ないことで明示していないだけであります。

 たまに見かけますね。ベビーカーでエスカレータに搭乗する様子。これまで見たのは全て上り方向ですが、お父さんが力任せで後方下から支える形。ヒヤヒヤしますね。

 しかし、しかしです、一度だけ車いす搭乗のままエスカレータに乗っている様子を見ました。後ろから介助者が押すのではなく、自らが車いす操作。エスカレータの乗り口まで転がし、両腕を伸ばしてベルトを掴み、そのまま前進してエスカレータのステップ。車いすは斜めで上の階へ移動。
 腕の力が強い方だったのでしょうね。先日、どこかの航空会社が航空機搭乗の際、タラップを腕の力だけで登らせたような、感じです。

 今回のエスカレータ転倒事故、ステップから床に降りる所で躓いたとのことですが、十分理解できます。
 エスカレータのステップが床に吸い込まれるところ、床面は斜めになっているように見えますが、詳細にはステップ面と斜めの床面が始まる部分とには、低いながら段差があります。車椅子は前輪の直径は極めて小さなもので、直径の小さな車輪は僅かな段差でも大きな衝撃になります。ゆえに、ステップから床面に乗るところで、車いすの前輪が当たり、転倒という様子は、十分想像ができます。

 このエスカレータ転倒事故、一概にこの夫婦(押した夫)を責めることはできません。エスカレータに代わりエレベータを使うことになりますが、一部の百貨店やショッピングセンターでは、ベビーカー・車いす優先、というものがありますが、その優先でも構わず人が乗ってきます。
 優先なので乗っていけないおとはありませんが、同じ床面に車いす・ベビーカーの方がいれば、その方を先に乗せて、エレベータ搭乗中の途中の階で車いす・ベビーカーの方がいれば、中の人は降りなければなりません。「優先」というものはそういうものです。前者は比較的守られていますが、後者はどうだろう。到着したエスカレータがいっぱいで、車いす。ベビーカーの方が乗れずに見送る、という光景を見ております。
 それにエレベータが複数あるところは、到着の際にランプが点きますが、このランプが点いたエレベータ乗り口に移動は困難で、勢い一基のエレベータ搭乗口で待つことになります。
 これは方向障害のある私も痛切に感じています。こういうことを健常者はなかなか理解できないですし、理解の範囲外です。

 そんな背景から、車いすのままエスカレータに乗ったのかもしれません。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 810

Trending Articles