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Channel: mitakeつれづれなる抄
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東京メトロ・都営地下鉄との運賃通算の検討

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 日経新聞web版記事からです。東京地下鉄(株)(東京メトロ)は、都内で社長就任記者会見を開き、2020年東京オリンピックまでには、東京都高速電車(都営地下鉄)との運賃通算化を図りたい、と検討していきたい旨を表明したそうです。
 つまり東京メトロと都営地下鉄との運賃通算、共通運賃化ですね。
記事:東京メトロ新社長「都営地下鉄と運賃通算化を検討」

 東京の地下鉄は多くの方がご存知の通り、東京メトロ(東京地下鉄株式会社)と都営地下鉄(東京都交通局高速電車)の二本立てで、つまりは別会社。日本では会社(企業体)毎に運賃を設定しますので、東京メトロの駅と都営地下鉄の駅の間を乗ると、東京メトロ区間の運賃と都営地下鉄区間の運賃を合算し、70円の割引となっています。
 これ、今は70円の割引ですが、以前は初乗り区間同士で20円の割引きで長い区間を乗ると、純粋に合算でした。
 今でも月山の原則は変わらずで、合算額から70円を割り引くもの。そのため、乗換駅によっては運賃が変動したりします。

 戦後間もないころから帝都の地下鉄は二本立てとなってしまいました。
 戦中の遺物である帝都高速度営団が、GHQの解散命令対象から外され、そのまま戦後の帝都の地下鉄経営にあたっていたところへ、営団地下鉄だけでは地下鉄建設が間に合わないので、東京都も自前で路線を建設することとなり、この時から営団地下鉄と都営地下鉄の二本立てでいくことになってしまいました。
 当時から運賃面の不満は大きく、とかく都営地下鉄は運賃水準が高いので、都営地下鉄しかない地域に不満。それでも、より早く地下鉄網が広がることを期待するところが大きかったです。

 しかしながら、戦後の都市が成熟するにつれ、この二つの事業者の存在で、運賃が二本立てになることへの不便さが目立つようになり、その典型例が営団千代田線と都営三田線の関係。この両線は大手町駅~日比谷駅間で、隧道の構造体は共同構造ながら駅の位置は全く別で、乗り換えができない構造。
 さらにこちらは近年改称されましたが、営団半蔵門線と都営新宿線の駅は同じ位置、同じ平面で、ホームも共用ですが、間に壁があり、相互に行き来はできない構造でした。こちらは半蔵門線と新宿線を分ける壁が撤去されたと聞いていますが、運賃は別のままです。

 東京の地下鉄運賃通算化は、東京に住まい、或いは活動をする方にとって、大きく望まれていたことです。
 しかし東京の鉄道は地下鉄だけではありません。JR東日本の路線(旧・国電)も東京の都市部ローカル輸送を担っています。
 このJR線と地下鉄との運賃共通化、さらには山手線から郊外に延びる私鉄各線との運賃共通化も将来的には望まれるところです。
 しかしこれは意外と早く実現できるかもしれません。以前のような紙の乗車券を発行していたころは、それに応じた運賃制度で、複数の事業者間を一枚の乗車券で運送する連絡運輸も、後日の清算が大きな作業で、首都圏以外では縮小される傾向です。これすらもICカード乗車券で、運賃補足がし易くなり、ICカードが運賃総共通化への足掛かりとなるかもしれません。

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