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Channel: mitakeつれづれなる抄
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高知県土佐郡大川村で、村議会を廃し町民総会設置を検討

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 昨日のCBCラジオニュースで報じておりましたが、高知県土佐郡大川村で村議会を廃し、住民総会の設置を検討しているそうです。
 検索したら毎日新聞記事が見つかりました。
記事:高知・大川  村議会を廃止、「町村総会」設置検討を開始

 この大川村は、離島を除くと全国人口最少の村で、2016年10月1日現在の住民基本台帳人口では387人。
 かつての離島を除いた本土で全国最小の村が愛知県にあり、北設楽郡富山(とみやま)村が、村廃止時で約200人ほどいたのと比べると、人口は多いです。

 そもそも議会を廃し、住民総会で村の運営ができるのか、といえば出来ます。
 地方自治法に規定があり、第89条で地方自治体には議会を置く、の規定がある一方、第94条・第95条で議会を置かず、選挙権を有する者による町村総会を置くことができる、という規定があります。

 私が知る限り、かつて伊豆諸島の八丈島からさらに西へ離れた八丈小島にあった宇津木村で、戦後しばらくの間、八丈村に編入されるまで村議会を置かず、村民総会を置いて、これで村の決まり事など運営していたそうです。
 この宇津木村、人口が極めて少なく、八丈村に編入で廃止の時点で100人を超えておらず、90人程度ではなかったか、です。
 このような極めて小さな村では、他の地方公共団体と同じような制度をそのまま当てはめるのは不合理な点があり、そこで村民総会(総代会)による運営も認められています。
 ちなみに宇津木村、江戸時代の村がそのまま明治維新を迎え、地方制度である町村制の対象にならず、名主制度のまま、戦後を迎えました。戦後、島嶼町村制施行により地方公共団体たる宇津木村が発足しましたが、名主制度がそのまま村民総会に移行して、議会が置かれることは一度もありませんでした。

 このような村民総会による村政が平成の御世に登場するとは意外です。
 この大川村、かつてはもっと人口が多かったのですが、渇水時期にニュースでよく登場する、早明浦ダムのある村で、ダム建設により、村の多くが水没することになり、離村などで、人口がここまで少なくなってしまいました。
 愛知県北設楽郡富山村も同じ様にダム建設で、村の多くが湖底に沈むことで人口が大幅に減ってしまったという点でも共通です。

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