火山の話題、三題です。まずツイッターで知ったことですが、イタリアのエトナ山という火山が噴火し、その様子を取材中の英国BBCの取材クルーが火山灰や噴石などが降る中を逃げ回るという様子があったそうです。
ANAニュース配信:火山噴火の“瞬間” 噴石と蒸気のなか逃げる記者(動画あり)
雪原の向こうの峰で突然噴火している様子が写っており、2014年9月27日の御嶽噴火もこんな感じだったものだなと、改めて思った次第です。
あんな間近で噴火が始まったら、ひとたまりも無いです。
しかしこのエトナ山は火山活動が観測されていたのに、あんな近くまで行けたのですね。
詳しいデータが無いので何とも言えませんが、日本の活火山で活動中の火山ですと、入山規制が布かれます。一時の御嶽のような火口から数キロの範囲は入らない方がよさそうな噴火ですが、その辺りは国の事情が違うからでしょうか。
このエトナ山の噴火は、いわゆる水蒸気爆発だったそうで、2014年の御嶽と同じようなタイプの噴火。
ただエトナ山の場合は、少し前にマグマを流出させる噴火があり、積雪地で積もった雪が溶けて地下水となり、それが火山の熱源で水蒸気となり、圧力が高まった所で「バーン」と爆発した、という次第。
・奥日光の男体山が活火山に認定。
少し前にニュースで気になっていましたが、栃木県の奥日光の男体山が、活火山に認定されたそうです。
NHKニュース:栃木の男体山 新たに活火山に認定へ(動画はありません)
男体山は、最後の噴火がおよそ1万7000年前だったと考えられ、活火山とな認知されていませんでした。
しかし近年、火山灰の堆積層がみつかり、その年代は約7000年前。
その時期に噴火したとすると、過去おおよそ1万年以内に噴火、という活火山の定義に当てはまることとなり、男体山は活火山に認定されることになる、ということです。
奥日光の観光地、華厳の滝や中禅寺湖、戦場ヶ原は全て男体山の火山活動によるものです。
谷の水路を男体山の噴火によって流れ出た溶岩が堰き止め、湖となり、そこから流れ出る水が滝となって、中禅寺湖と華厳の滝が出来上がりました。
戦場ヶ原は、男体山が少し崩壊した火砕流が埋めつくしたところで、水路(河川)の流れと火砕流の砕石物がまじりあって、湿地帯を構成し、戦場ヶ原が構成されたものです。
こうした「地勢を作る」活動が、過去のものとは限らず、今も活動の機を伺っていると考えた方が正解ですね。
・乗鞍岳5000年前に噴火か
NHKニュース:乗鞍岳 500年前水蒸気噴火か(動画あり)
地質調査から500年ほど前に水蒸気爆発があったらしいということが分かったというもの。
500年前ですと江戸時代。記録が残っていそうなものですが、近くに人はいたかもしれませんが、中央からも地方の司処からも遠く、権力者の目の届かないところの御山ゆえ、噴火が起こっても記録に残すような立場の人がいなかったのかもしれません。
水蒸気爆発は、火山噴火としては極めて表面的なものですが、乗鞍でもマグマ噴火はかつてはありました。地質時代になりますが、9200年ほど前と9600年ほど前に大爆発があったそうです。
火山噴火というと鹿児島県の桜島。1914年(大正3年)の噴火は、激しい噴火で流動性の高い溶岩が大量に流出し、島の東の方へ流した結果、大隅半島とつながってしまいました。
この時代は日本全国に詳細な地形図が作成された後の時代ゆえ、噴火による溶岩流出で村落が埋まる前の地形図が残っています。
このような災害は決して過去のものではなく、今後将来に亘り、またあるのかもしれません。
そもそも桜島は、大きな姶良火山の一部であります。
阿蘇山と並んで日本を火山灰で気候変動を起こすほどの火山噴火を出した火山で、大隅半島と薩摩半島は、かつての姶良火山の外輪山。
火口原(カルデラ)に海水が入ったのが鹿児島湾で、桜島はかつての姶良火山の中央火口丘でもあります。
今でこそ、鹿児島市に火山灰を降らせて「困ったな」という桜島ですが、歴史的には日本国を揺るがす程の噴火にもなりました。有史以前の話ですが。
ANAニュース配信:火山噴火の“瞬間” 噴石と蒸気のなか逃げる記者(動画あり)
雪原の向こうの峰で突然噴火している様子が写っており、2014年9月27日の御嶽噴火もこんな感じだったものだなと、改めて思った次第です。
あんな間近で噴火が始まったら、ひとたまりも無いです。
しかしこのエトナ山は火山活動が観測されていたのに、あんな近くまで行けたのですね。
詳しいデータが無いので何とも言えませんが、日本の活火山で活動中の火山ですと、入山規制が布かれます。一時の御嶽のような火口から数キロの範囲は入らない方がよさそうな噴火ですが、その辺りは国の事情が違うからでしょうか。
このエトナ山の噴火は、いわゆる水蒸気爆発だったそうで、2014年の御嶽と同じようなタイプの噴火。
ただエトナ山の場合は、少し前にマグマを流出させる噴火があり、積雪地で積もった雪が溶けて地下水となり、それが火山の熱源で水蒸気となり、圧力が高まった所で「バーン」と爆発した、という次第。
・奥日光の男体山が活火山に認定。
少し前にニュースで気になっていましたが、栃木県の奥日光の男体山が、活火山に認定されたそうです。
NHKニュース:栃木の男体山 新たに活火山に認定へ(動画はありません)
男体山は、最後の噴火がおよそ1万7000年前だったと考えられ、活火山とな認知されていませんでした。
しかし近年、火山灰の堆積層がみつかり、その年代は約7000年前。
その時期に噴火したとすると、過去おおよそ1万年以内に噴火、という活火山の定義に当てはまることとなり、男体山は活火山に認定されることになる、ということです。
奥日光の観光地、華厳の滝や中禅寺湖、戦場ヶ原は全て男体山の火山活動によるものです。
谷の水路を男体山の噴火によって流れ出た溶岩が堰き止め、湖となり、そこから流れ出る水が滝となって、中禅寺湖と華厳の滝が出来上がりました。
戦場ヶ原は、男体山が少し崩壊した火砕流が埋めつくしたところで、水路(河川)の流れと火砕流の砕石物がまじりあって、湿地帯を構成し、戦場ヶ原が構成されたものです。
こうした「地勢を作る」活動が、過去のものとは限らず、今も活動の機を伺っていると考えた方が正解ですね。
・乗鞍岳5000年前に噴火か
NHKニュース:乗鞍岳 500年前水蒸気噴火か(動画あり)
地質調査から500年ほど前に水蒸気爆発があったらしいということが分かったというもの。
500年前ですと江戸時代。記録が残っていそうなものですが、近くに人はいたかもしれませんが、中央からも地方の司処からも遠く、権力者の目の届かないところの御山ゆえ、噴火が起こっても記録に残すような立場の人がいなかったのかもしれません。
水蒸気爆発は、火山噴火としては極めて表面的なものですが、乗鞍でもマグマ噴火はかつてはありました。地質時代になりますが、9200年ほど前と9600年ほど前に大爆発があったそうです。
火山噴火というと鹿児島県の桜島。1914年(大正3年)の噴火は、激しい噴火で流動性の高い溶岩が大量に流出し、島の東の方へ流した結果、大隅半島とつながってしまいました。
この時代は日本全国に詳細な地形図が作成された後の時代ゆえ、噴火による溶岩流出で村落が埋まる前の地形図が残っています。
このような災害は決して過去のものではなく、今後将来に亘り、またあるのかもしれません。
そもそも桜島は、大きな姶良火山の一部であります。
阿蘇山と並んで日本を火山灰で気候変動を起こすほどの火山噴火を出した火山で、大隅半島と薩摩半島は、かつての姶良火山の外輪山。
火口原(カルデラ)に海水が入ったのが鹿児島湾で、桜島はかつての姶良火山の中央火口丘でもあります。
今でこそ、鹿児島市に火山灰を降らせて「困ったな」という桜島ですが、歴史的には日本国を揺るがす程の噴火にもなりました。有史以前の話ですが。