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Channel: mitakeつれづれなる抄
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年一回だけ運行のバス路線

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 乗り物ニュースに面白い、私向けの記事がありました。路線バスには不思議な存在として、年間通じて一日だけ片道一回だけ運行という路線があります。
 そんな事実上、「無い」に等しいバス路線がなぜ存在するか?という内容。
記事:年1本しか走らないバス路線、なぜ存在? 背景にある「理由」とは

 いわゆる「免許維持路線」ですね。現在は路線乗合バスは免許制ではなく、許可制なので「免許維持」とはおかしなものですが、免許制時代からそのまま引き継いだ言葉です。
 この乗り物ニュースに記事にある路線、さらに免許維持路線については、弊ブログでも過去に書きました。
 2012年3月14日:「究極の免許維持路線・一年に片道一回の運行・京都バス95系統
 2013年3月23日:「一年に片道一回だけの運転系統が増加・京都バスの免許維持路線

 このうち2012年記事の内容が判明した時は、大きな衝撃でした。普通、免許維持路線と呼ばれるものは、週一回とか、その当時にもあった月一回、というものでしたが、年一回というのは、廃止に等しいものです。
 乗り物ニュース記事にもあった路線で、京都市左京区の北部山間部、大原と鞍馬を結ぶ、愛称「北山バーディ号」です。
 これ登場したのは、1986年だったと思いますが、京福電鉄の沿線広報誌にも掲載があり、「大原御幸(おはらごこう)の辿る道」という触れ込みでした。
 江文峠は、寂光院の庵主、建礼門院を訪ねて後白河法皇が鞍馬から辿った道筋。
 そこを辿る、という触れ込みで、運転を開始したものでした。
 当時は道路事情もあり、小型車での運転で、その当時の車両が最近まで使われていました。

 で、免許維持路線ですが、上記弊ブログ過去記事にもありますが、乗合バス免許制時代は、新たに事業免許を取るのは幾つか大きな障壁があるもので、廃止も難しい手続きがあり、廃止も容易ではなく、できるのは、運行回数の調整、すなわち減回。
 その究極な減回が週一回とか月一回で、名目上走らせていますよ~というもの。

 免許制時代は、あくまで「免許」で、免許申請の際には審査が行われます(した)。
 申請者の素性ではなく、申請内容に競合関係が在るか無いかを審査するもの。
 その結果、排他的な免許が下り、事業が始められることになります。
 事業を止める(廃止)する際は、沿線自治体から同意書を得て、それから廃止の申請を行います。
 一度廃止すると、サラの状態になり、競合関係にある他社があればそのエリアに含まれてしまいますので、何等かの事情で再度免許を申請するのは難しい場合もあり、そのため「生かしておく」という意味で、「名目上、運行している状態」の免許維持路線となります。
 その究極な「運行している」が、年片道一回で、それが京都バス(株)で四つの路線(系統)で、他に大阪府の近鉄バスに年一回運行という路線があります。

 なお、乗合バスは現在は免許制ではなく、許可制いなっており、言葉は違いますが同じような関係と考えて差し支えないです。
 ただ競合関係の審査は行われないので、許可審査の審査内容は、ほぼ申請者の素性(事業継続性)ぐらいです。

 その京都バス(株)、3月18日にダイヤ改正が行われます。
 乗り物記事ニュースとなった、北山バーディ号ですが、乗り物ニュース記事には、継続して運転されるとありますが、京都バスの新時刻表には掲載が無く、実際どうなるのか今は分かりません。
 それと北山バーディ号の通る江文峠は、新たに55系統大原~貴船口間系統が新設されるようで、めでたく年一回の究極免許維持路線からは脱することになりました。
 その一方で、95系統大原~鞍馬間の時刻が見当たらず、どうなるのか気になっています。
 仮に運転されることとなっても、完全に52系統と競合(全く同じルート)なので、年一回の究極免許維持ではなくなります。

 京都バス95系統とその出庫便のルート。


 2013年に増えた年片道一回の区間。


 95系統の車両。このタイプが、1986年の運転開始から使われてきました。数年前に廃車となっています。

 末期は大変でした。運行途中で、ドアの空気シリンダがおかしくなり、自動でドアが開閉できなくなったりもしました。

 車体横の北山バーディ号の看板。毎週運転されていた頃のものです。

 大原の案内所で保管されており、寂光院道経由の出庫便が到着すると、案内所の係員が取り付けていました。

***
 しかし、江文峠を通る52号系統、大原~貴船口間の路線、設定意図がよく分かりません。
 なんで貴船口なのか。貴船方面ですと、貴船まで行く33号系統は、貴船口ではなく、貴船口駅前が営業区間の発着。
 折り返しで、貴船口まで来ますが、その貴船口で乗り継ぎができるのであろうか。
 できたとすると、貴船口停留所~貴船口駅前停留所間が33系統の事業区間外となります。

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