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Channel: mitakeつれづれなる抄
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日本中が揺れた5月30日夜の地震

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 5月30日の夜、台所で片づけをして、水回りの音が止み静かになると、NHKラジオ点けっ放しの部屋から、地震速報のニュースが聞こえてきました。
茨城県で震度5強と聞こえ、「また関東で強い地震か」と思っておりました。

このところ、関東地方など東日本で地震が多いものですし。
その一連かと思いきや、震源地は小笠原諸島付近の深さ590km(速報値)で、地震の規模はマグニチュード8.5(速報値)とえらく巨大。
すぐさま、この近海海底深くで起きる一連の地震だなと思い、このタイプの地震はなぜか関東地方の陸上で強く揺れが現れるもので、茨城県の震度5も納得できるものでした。
しかしその後も地震情報が続き、神奈川県でも震度5強があり、東京都でも震度4。
ここまでは分かりますが、気象庁のサイトを見ると、なんとこの我が愛知県一宮市でも震度1と出ております。

地震のあった時刻、というか揺れが伝播した(だろうと推定)時刻は台所で洗い物をしていましたので、揺れに気が付きませんでした。
いや、震度1ですが、同じ震度1でもキラーパルスと呼ばれる小刻みな揺れではなく、遠地地震特有の振幅が大きく周期の長い地震動ですと、人間には感じられないことがあります。
多分、このタイプの揺れだっただろうと思います。

この東海道はるか沖の小笠原付近の深い地震は時々起きるもので、「深発地震」と呼ばれています。
しかもマグニチュードが7を超える巨大な地震で、深さが500kmを越えていますので、海底が動くことは少なく津波発生には繋がりませんし、近くの陸上である島もあまり揺れません。
本土でも関東地方が揺れるのは、地下の構造によるものらしく、糸魚川静岡構造線より東で揺れ、西は、震源からの距離が同じでも揺れないもので、異常震域と呼ばれる現象が起きます。

しかし、5月30日の地震は、震源のご近所である、小笠原諸島で震度5強、愛知県の各地で震度1~2で、それどころか北海道から沖縄県まで日本47都道府県全て有感地震となったなんとも珍しい地震となりました。
これも異常震域でしょう。

気象庁サイトから。


糸魚川静岡構造線の東で揺れが大きく出ていますが、西も揺れてます。


この5月30日夜の地震は、後に規模マグニチュード8.1、震源の深さを682kmに修正されました。これは地震波形の精査によるものです。
しかし、深さ682kmとは有効数字3ケタなのだな。

 このタイプの、東海道はるか沖の地震を初めて知ったのは、1984年の元日。
夕方に発生したもので、元日ですが東京にいました。
20時台の新幹線で戻る予定で。
日比谷線のどこかの駅ホームを降りると、駅員が「今、地震で揺れんかったかー」と反対側ホームの駅員に。
タイミングからして階段を下りていた時で、しかも電車が発車したタイミング。
地震であった事は気付かず。
その後は地下鉄も国電も正常に動いていました。
しかしNHKラジオのニュースでは東京で震度4とのことで、新幹線は震度4で一旦運行を止めることを知っていましたので、運行予定が乱れることは容易に想像がつきます。
後に東京駅へ着くと、案の定、運行は乱れっ放し。
元日であったことが幸いし、改札口周辺は静か。
1時間遅れ、2時間遅れの列車が次々発車し、こうなったら何時の列車でもいいけど、ご丁寧に予定していた時刻の列車、約1時間遅れとのことで、これに乗りました。
乗ったらすごい。
当時は東京駅から名古屋駅まで、ひかり号は2時間1分の運行。
ビュンビュン走り、後のシンデレラエクスプレスよりも早い1時間50分で名古屋駅到着。
遅れは、つまり10分縮まりました。

 後に聞いたら、この地震は愛知県では全く感じられなかったそうで、ニュースでも東京など関東地方だけで感じた地震、と伝えていました。

 震度分布からすると、まさしく糸魚川静岡構造線の東で有感となり、日本列島の地質はここで大きく変わることを実感したものでした。

*** 追記 ***
茨城県の震度5強は記憶違いだったようで、茨城県内の最大震度は4です。最初、茨城県の県名が聞こえ、そんな印象が残っていました。

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