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Channel: mitakeつれづれなる抄
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世間一般的には鉄道の何々線というのは、その線の車両を指すらしい

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 先日、某東京キー局制作のテレビ番組を見ていたら、インドネシア・ジャカルタで元東京メトロの走行している画像を紹介しており、その際のキャプションが「東西線がジャカルタで走っている」というもの。
さらに「千代田線もジャカルタで走ってます」と。
 つまり元東西線車両の500系、千代田線6000系が用途廃止で、インドネシア・ジャカルタが中古車購入で輸入して走っているというものでした。

 日本の鉄道車両の廃車後に海外輸出の例は昔から結構ありますが、この紹介のされ方から、「何々線」というものは、その電車そのものを指す語らしいというもの。
 そこで思い出したのは、少し前、JR東日本の山手線用新形式車両、E235系が導入されることが決まった報道では「新山手線登場へ」というものでした。
 この時は、本当に第二山手線のようなものが計画されたのかと思ったら、要するに新形式車両だったというもの。


 こんなことを想うのは私が重度の鉄ヲタだからですが、改めて語の意味を考えると、世間一般は鉄道車両の事を「電車」と言いますね。
 この場合の「電車」とは、電気で動く鉄道車両、さらに細かい分類の「電動式旅客車」ではなく、何処其処への移動手段「機能」としての名称で、それを満たす車両が「電車」で、昔なら「汽車」です。

 同じ語でも時と場合によって意味合いが多少変わるのは、日本語の微妙なところ。
 そこで一番思うのが、「湯」と「水」の違い。
 物理学と一般の暮らしの中の感覚とでは大きく違う一つです。
 水は、どんな温度でもどのような形態(個体・液体・気体)であっても物理学の世界では水は水ですが、世間一般の「湯」とは、温度が高い状態の「水」。
 その温度も明確に基準があるわけではなく、その用途によって、理想とする「湯」の資格を得る温度があります。

 それを考えると、「電車」「汽車」との称し方は納得できるようになりました。
 何も電気で動く鉄道車両ゆえに電車、なのではなく、普通に鉄道としての機能を提供する媒体が「電車」であり、少し前の時代であれば「汽車」、これは単に動力手段の主流の違いです。
 関連して、昔はローカルな鉄道が結構ありまして、小型の機関車牽引の列車か、小型の内燃動車というものも。動力源となるエンジンは小さくて音が大きく、そこで名付けられた名称は「エンジン」。


 日ごろ思うことをまとめてみましたが、やっぱり「東西線がジャカルタで走っている」という表現はおかしいと思います。
 「元東西線の車両がジャカルタで走っている」の方が、マスコミ報道の正確さでも必要かと考えます。

 余談ですが、ジャカルタはまだ日本から近いですが、遠く南米アルゼンチンのブエノスアイレスに輸出された例があります。
 その中に名古屋市営地下鉄東山線と名城線の車両もあり、輸出された後に「ブエノスアイレスまで見に行く」という人がいました。

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