ツイッターの情報で知りましたが、北海道のJR北海道石勝線の、夕張へ向かう新夕張~夕張間の廃止について、地元夕張市が廃止に容認をしたと、北海道新聞が伝えています。
記事:夕張市、JR石勝線支線廃止容認へ 土地譲渡など条件
JR北海道の経営は、かなり深刻のようで、先日も『「持続可能な交通体系のあり方」に関する地域への相談について』という文書を出して、利用の少ない駅、列車、線路を廃止し、経営をスリムにするほか、運賃の値上げ、線路設備を地元自治体による保有会社に譲渡し、旅客営業のみ行う「上下分離式」の導入など、を考えています。⇒同文書(PDF)
線路廃止とは、その名の通り鉄道線路の廃止で、旅客輸送量が一定基準以下の線路は鉄道事業としては役目を終えたものと判断して、バスなどの他交通機関に転換させよう、という国鉄末期の国鉄経営再建特別措置法による廃止と同じことを目指しております。
そのうち、この石勝線夕張支線とは、かつての石炭鉱都市夕張市へ至る線路です。石勝線は1981年に千歳空港駅~新得駅間が開通したもので、石狩と十勝を高規格の軌道と山脈を突き抜けることから石勝線と名付けられました。
ただし、この石勝線の区間のうち、追分駅~新夕張駅間は、旧夕張線、追分駅~夕張間の線路を改良したもので、石勝線に編入、はみ出た、新夕張駅~夕張駅間は支線としたものです。
この新夕張駅~夕張駅間支線は地元では夕張線と呼んでいるようです。
夕張は旧炭鉱の町として栄えたもので、炭鉱が全て廃坑となった今、観光事業投資が全くの不調で、市の財政を圧迫し、財政再建団体に指定され地方自治体としては事実上の破たんとなりました。
そんな状況ですので、夕張支線の経営事情は推して知るべしです。記事によれば、2014年度は旅客輸送密度117人、営業係数は1421円であるとのこと。元々国鉄時代から赤字路線でしたが、国鉄末期の「特定地方交通線廃止」では、夕張支線は石勝線という「幹線」区分でしたので、廃止対象とはなりませんでした。いわゆる「線名」だけで廃止する線路を決めた弊害の一つです。
そのため夕張支線は現在まで存続していますが、炭鉱も無い今、輸送は少数の地元住民のみ、沿線は運行系統の詳細は分かりませんが夕鉄バスが多く運行されています。
夕張支線が鉄道で存在し続ける意味合いは、かなり少ない(無い)状況で、JR北海道が地元に相談したい、という路線になった次第です。
そのための条件として、線路敷の土地の市への譲渡、代替の交通ネットワークの構築、JR社員の市への派遣を挙げています。
しかし、夕張市にとっては厳しい状況です。
財政再建団体に指定されたことで、新たな市債は発行できず、自治体の住民サービスは停止したり縮小したりで、住民の生活にも大きな影響。学校が閉校して代わりのスクールバスが運行せずに、遠くの学校まで保護者の自動車で送り迎え、病院が閉鎖で、遠くの病院まで行かねばなりません。夕張支線の旅客の多くは、この遠くの病院まで行く人たちで、鉄道廃止となればバスがあるものの、費用負担はかなり膨大なものとなります。
夕張は今は、夕張メロンのブランドで、新たに売り出そうとしておりますが、鉄道が有るのと無いのでは大きく違います。
外からも人が来ていただくように上下分離式ででも、鉄道として存続した方がいいと思いますが。
追記。並行して多数バスが走るという夕鉄バスとは、夕張鉄道で、かつては鉄道事業を営んでいました。函館本線の野幌駅から夕張市内までの路線。石炭輸送で開業した鉄道ですが、石炭産業の斜陽化で貨物輸送、そして旅客輸送も廃止し、バス事業のみが残る形です。
記事:夕張市、JR石勝線支線廃止容認へ 土地譲渡など条件
JR北海道の経営は、かなり深刻のようで、先日も『「持続可能な交通体系のあり方」に関する地域への相談について』という文書を出して、利用の少ない駅、列車、線路を廃止し、経営をスリムにするほか、運賃の値上げ、線路設備を地元自治体による保有会社に譲渡し、旅客営業のみ行う「上下分離式」の導入など、を考えています。⇒同文書(PDF)
線路廃止とは、その名の通り鉄道線路の廃止で、旅客輸送量が一定基準以下の線路は鉄道事業としては役目を終えたものと判断して、バスなどの他交通機関に転換させよう、という国鉄末期の国鉄経営再建特別措置法による廃止と同じことを目指しております。
そのうち、この石勝線夕張支線とは、かつての石炭鉱都市夕張市へ至る線路です。石勝線は1981年に千歳空港駅~新得駅間が開通したもので、石狩と十勝を高規格の軌道と山脈を突き抜けることから石勝線と名付けられました。
ただし、この石勝線の区間のうち、追分駅~新夕張駅間は、旧夕張線、追分駅~夕張間の線路を改良したもので、石勝線に編入、はみ出た、新夕張駅~夕張駅間は支線としたものです。
この新夕張駅~夕張駅間支線は地元では夕張線と呼んでいるようです。
夕張は旧炭鉱の町として栄えたもので、炭鉱が全て廃坑となった今、観光事業投資が全くの不調で、市の財政を圧迫し、財政再建団体に指定され地方自治体としては事実上の破たんとなりました。
そんな状況ですので、夕張支線の経営事情は推して知るべしです。記事によれば、2014年度は旅客輸送密度117人、営業係数は1421円であるとのこと。元々国鉄時代から赤字路線でしたが、国鉄末期の「特定地方交通線廃止」では、夕張支線は石勝線という「幹線」区分でしたので、廃止対象とはなりませんでした。いわゆる「線名」だけで廃止する線路を決めた弊害の一つです。
そのため夕張支線は現在まで存続していますが、炭鉱も無い今、輸送は少数の地元住民のみ、沿線は運行系統の詳細は分かりませんが夕鉄バスが多く運行されています。
夕張支線が鉄道で存在し続ける意味合いは、かなり少ない(無い)状況で、JR北海道が地元に相談したい、という路線になった次第です。
そのための条件として、線路敷の土地の市への譲渡、代替の交通ネットワークの構築、JR社員の市への派遣を挙げています。
しかし、夕張市にとっては厳しい状況です。
財政再建団体に指定されたことで、新たな市債は発行できず、自治体の住民サービスは停止したり縮小したりで、住民の生活にも大きな影響。学校が閉校して代わりのスクールバスが運行せずに、遠くの学校まで保護者の自動車で送り迎え、病院が閉鎖で、遠くの病院まで行かねばなりません。夕張支線の旅客の多くは、この遠くの病院まで行く人たちで、鉄道廃止となればバスがあるものの、費用負担はかなり膨大なものとなります。
夕張は今は、夕張メロンのブランドで、新たに売り出そうとしておりますが、鉄道が有るのと無いのでは大きく違います。
外からも人が来ていただくように上下分離式ででも、鉄道として存続した方がいいと思いますが。
追記。並行して多数バスが走るという夕鉄バスとは、夕張鉄道で、かつては鉄道事業を営んでいました。函館本線の野幌駅から夕張市内までの路線。石炭輸送で開業した鉄道ですが、石炭産業の斜陽化で貨物輸送、そして旅客輸送も廃止し、バス事業のみが残る形です。