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Channel: mitakeつれづれなる抄
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人は易きに流れる

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 東京都のM知事は、結局知事職の辞職を表明し、議会で認められました。
 批判の嵐はすさまじいもので、格好のテレビネタでもありました。
 私も「どうかな」と思っていましたが、それよりもかつてあれだけ「改革派」を標榜しておられた方が、なぜああなってしまったのかがとても不思議です。

 少し前の傘の日に書いたことですが、「普通の人」の因子には、放っておけばあのような行動を引き起こすものがあるだろうとの私の仮説です。
 傘の日に書いた内容は、急な雨でお困りの際はどうぞお使いくださり、使用後は返却をお願いします。という傘が使われっ放しでさっぱり戻って来ない。そこから普通の市民感覚の中には、小さなことを疎かにする感覚(行動様式)があり、それがひいては大きな犯罪につながる、というもの。

 名古屋市議会の減税日本の市議。六年前の市議選は減税日本大躍進で一期議員が大幅に増えましたが、その選挙中の公約にも関わらず、期末手当を全額よこせとか、当選から日が浅い事から給与を少し減らそうという市議団会派の意向を無視して、全額を求めるとか、おやおや?という行動が目立ちました。
 これも少し前に書きましたが、兵庫県の号泣県議。あの方も改革派を謳っていたそうですが、結局は既報の通り。
 つまりこれまで「金と政治」で宜しくないことをされた方は、信念を持って金と政治で不正を行っていたのではなく、自然に不正を行うようになったのでしょう。
 その「自然に不正」を行う要素が、傘を返さない行動に表れているわけです。

 スーパーなどの駐車場。店舗入口近くは身障者用の駐車スペースとなっているところが多いです。
 しかし店舗入り口に最も近いので、往々にして身障者用ではない自動車が止められているのを見かけます。

 傘を返さない人、身障者用の表示を無視して止める人、同じ発想による行動です。「人は易きに流れる」。
 この「易きに流れる」のであるので、傘を使いたいときだけ使って、あとは知らん顔。返却するのはある意味大変ですからね。
 入口に一番近いから止めただけ。
 こうした心根の行動が積み重なると、目に見える異常な行動になるのだろう。

 M知事も、本人は当然だと思っていただろうと想像します。
 この「当然」と思う行動は、本人は当然であっても、価値観の違う者にとってみれば当然ではありません。

 今、世の中はM知事批判旋風が吹き荒れています。
 この批判をする心も「また易き方に動く」であって、人の批判はできますが、己自身の評価は気づきません。
 そのような過程を経て、号泣県議もM知事もあのような結果になってしまっただろうと考えます。
 M知事批判をする人の中に、また新たな「金と政治」で不正を働く人が出てくるだろうと思います。易きに流れる人がいる限り。

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