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Channel: mitakeつれづれなる抄
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善意の押し付けは迷惑なことも

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 元のニュースソースが、見つからなくなってしまいましたが、タイガーマスクの伊達直人と名乗る人物が児童養護施設へランドセルを勝手に送る行為について、ツイッターで福祉施設に勤める職員という立場の方の発言がちょいと話題になっている、という記事を見つけました。

 今、改めて記事を検索してみましたが、まとめサイトしか見つからず、私はあのまとめサイトは嫌いなので、話題になった内容だけをかいつまんで書いてみます。

「このところ年末や年度末になると、伊達直人と名乗る人物から児童福祉施設にランドセルを幾つか送られることがありますが、当の施設側としては送られても困惑するだけです、といった内容の文章がツイッターにあり、現物を送られるより、それぞれの児童の好みのものを買ってあげたいので、送られた物品は必ずしも活かされない」
 とあり、それに対して文意に賛成する意見、善意を送っているのに何を言っているんだ!という反対意見でちょいとヒートしていた、というものでした。

 要するに善意でランドセルなど物品を送る行為は、送られる側からするとむしろ迷惑で、善意の心が活かされない、というものです。
 つまり善意の押し付けはかえって迷惑、というものですね。受け取る側の心を理解せず、一方的に「ハイ!これ」と送られても、これはまさしく「送る」であって、「贈る」ではないですね。

 児童福祉施設にいる子供たちは、あまり幸せでなく、小学校へ上がる際にランドセルを贈ってあげよう、という気持ちからで、ギスギスした世の中、温かい善意としてニュースになりますが、必ずしも善意とはいえない、という職員さんの意見、私は賛成できます。
 最初、このニュースがあった時、親切な行為だな、と確かに思いました。しかし、直ちに次の思いもありました。

「子供たちが選ぶ楽しみが無くなってしまったし、きちんと数が合うだけ送られたのかな」。

 やっぱりこの懸念は現実のものだったわけです。
 タイガーマスクの伊達直人と名乗る人物は新設で送ったつもりですが、実際は迷惑行為に他ならないわけで、「善意の押し付けは却って迷惑」「善意はひとそれぞれに合わせてこその善意」で、一方的に画一的に与えるべきではない、ものだと考えます。

 大規模災害が起こると避難所が開設され、各地から被災者に衣類や日用品が救援品として送られることがありますが、この送られた物品の中には中古過ぎて、とても使えないものがあるそうです。衣類も汚れが目立つものがあったりすることもあり、何を考えて送るのかよく分からないものもある、と聞きます。
 被災者の立場なので、困ってるだろうな、という想いからでしょうが、やはりそこは、被災者と言えども人です。衣類もきれいなものが欲しいでしょうし、サイズがあったもの、またデザインも本人の好みがあります。そこを配慮してこそが善意です。

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