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Channel: mitakeつれづれなる抄
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敷地(地主)の立場が逆転したんだろうか・市道占有の北野天満宮で、市長に料金請求の命令

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 京都新聞web版からです。京都市上京区の北野天満宮が隣接の市道の一部を占有したのに、その占有料の徴収を怠ったとして、市長は北野天満宮に占有料を請求するように、とする請求の裁判の判決が3日、京都地裁であり、市長に請求額の一部712万円を請求するようにとの判決があったとのことです。
記事:北野天満宮の市道占有、京都市長に料金請求命じる 地裁判決
 気になる出来事でしたが、最初意味が分からず、三度読んでやっと理解した次第。

 判決は、記事から引用すると、北野天満宮が市の許可を受けず、10年5~6月までに市道の南北部分にフェンスを設置したことに関し、一般人が立ち入れず実質的に占有したと指摘。市長側は「通行禁止は天神川への転落防止などに必要で、フェンスは市が設置したのと同視できる」と主張したが、道路標識の設置がなかった点から退けた。
 その上で、北野天満宮が市道を購入した14年5月まで4年間を占有期間とし、約712万円の占有料を認定した。

 要するに、京都市道となる部分に北野天満宮がフェンスを設置し、そのフェンスの内側は道路共用が出来なくなったので、道路占有となり、その分の占有料の請求を行いなさい、という判決のようです。
 天神川への転落防止だったそうですが、どの辺りなのだろうと思い出してみましたが、よく分かりませんでした。

 ただ、神社境内や隣接する道路は、道路敷地がどこの所有なのか判然としない部分もあるものです。
 東山区の知恩院なぞ、山門を通りそのままお寺の敷地内の道路が市道認定されている部分もあります。山門を自動車が頻繁に通る、不思議な光景。

 さて、この北野天満宮、元はもっと広大な敷地だったそうで、今出川通を越えて一条通の辺りまで神社境内だったそうです。
 昔のN電(後に京都市電)は、北野天満宮の参道のような灯篭が並ぶところを通っていました。
 なので道路といえども天満宮の敷地なのでは?という想いがあり、記事を読んでも立場が直ぐに理解できませんでした。

 昔はおおらか、というか、今のようなキッチリキチキチな発想は無く、境界もかなりあいまいなもの。
 先の知恩院の中を道路が通るのも、さらに左京区の南禅寺も同様の光景がありますが、今だったら「何でウチの中を通る」というところでしょうけど、お寺という所ゆえ、勝手に通行するのがそのうち、自動車も通るようになり、市道認定にまで至ったように理解しています。

 そのような昔の大らかさが、現代の経済と所有の思想に合わなくなり、「誰の敷地(財産)」などということになり、市道の部分にフェンスを設置したので、その分の占有料を市請求しなさい、ということになったようです。

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