Quantcast
Channel: mitakeつれづれなる抄
Viewing all articles
Browse latest Browse all 810

誤用が目立ち変化の過程なのか今年の正月

$
0
0
 日本語に限らず、言葉は変化するもので、かつては誤用とされたものが現代では正しいモノとなりつつあるものです。

 今年の年末年始、いや「年末」というのはおかしいかな、なので「今期の年末年始」、予てから気になる誤用がとても多く目立ちました。
 以前にも書き、昨年末にはAmebaのブログの方でも11月4日に「日本語の誤用が目立つ季節 」と題して書きました。

 そこで書いたのは、1月1日の「元日」のことを「元旦」と表現(文字にしても発声する言葉でも)大変多いということです。
 それがこの年末年始は大変多く、元日のことを元旦とするのを見聞きしました。
 大変気になります。
 中には個人ではなく、公の立場である企業のお知らせでも「当店は元旦から営業とします」とか、渋谷が本社の受信料を徴収する全国放送局のラジオでも、出入りのタレントさんですが「元旦には・・・云々」という言葉を耳にしました。

 ここで整理しますと、「元日」とは1月1日のことで、「元旦」とはその1月1日の朝のことです。
 なので、年賀状の記述に、何年1月元旦とするのは誤りです。

 これだけ誤りがはびこると、やがて1月1日のことを普通に元旦と言うようになるのではないか、とさえ思ったりします。
 かつて誤用とされた言葉が、多くの人に言い継がれることによって、それが正しい表記になったりしたものがあります。

 こういう例で必ず出すのがnewの意味で、「新しい」。
 今では「あたら_しい」と言いますが、かつては「あらた_しい」でした。
 これが昔、前衛的な間違いで「あらたしい」を「あたらしい」という人が現れ、やがてそれが多くの人に、つまり集団的誤用となり、今では「あらたしい」となりました。
 「新」の漢字には「あたら」との読みは無く「あらた」です。
 それを考えると元来は「あらたしい」が正しいのなだ、と思えます。
 新しいは「あらたしい」が元々の読み、今では「あたらしい」が新しい読みです。

 で、元日と元旦。
 時代が経るにつれ、言葉の意味も変わります。
 こうも1月1日を元旦と言うようになれば、そのうちに辞書にも載るのではないかと思います。
 【元旦】1月1日のこと。かつては元日と言った。一年のもといとなる日で、元日。この元日の日の出の時間帯を元旦であったが、現代では、1月1日のことを差すようになった。
 こうなってしまうような気がします。
 ちょうどその過程を見ているのかもしれません。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 810

Trending Articles