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Channel: mitakeつれづれなる抄
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言語リハビリ・コミュニケーション能力の回復

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 私が脳出血で入院して、来月で4年。月日が経つのも早いです。病院という所は、ブログネタが豊富だと退院直後に書きましたが、案外書くことが無く、今まで過ぎました。

 この間の出来事は略しますが、入院後、点滴が取れるとすぐにリハビリテーションが始まります。機能回復で、リハビリテーションは、「理学」「作業」「言語」の三本柱。理学は、物理的な体の運動機能回復。作業は、日常の暮らしに必要な鼓動ができるようにの訓練。言語は「言語聴覚士」によるもので、私の場合は脳出血による脳機能の障害で発音機構の障害から発音しにくくなった場合の発音訓練かと思っていました。。。しかし最近、このようなことを聞きました。
 言語療法(言語リハビリ)は、単に発音ではなく、「聴覚」をもってコミュニケーション能力の回復だ、ということを伺いました。
 早い話が、言語というものを聴覚を通じ、構成を順序建て、理解し、他者との意思疎通を図るもの、なのだそうです。

 要するに、脳機能障害によるコミュニケーション能力の回復、もっと平たく言えば、痴呆からの回復、なのだそうです。
 なので、単に「きゃりーぱみゅぱみゅ」が言えるかどうかは、さして関係が無さそうです。
 最初の病院である、一宮市民病院で、言語リハビリの先生に「もう少し発音出来るようになりたい」と申すと、「それ以上は、アナウンススクールだ」などと言っていました。
 その理由がやっと分かりました。言語をもって、他人とのコミュニケーションができる以上、言語リハビリの目的は達成できていることになります。
 今、思うに、リハビリで言語リハビリのメニューが加えられたのは、入院当初に変な言語発声を行っていた「ことによるものだったのかもしれません。
 最初の病院では、毎朝「今日は、何月何日、何曜日、ここはどこですか」の質問。さらに「100から順に7を引いてください」の質問。
 この何月何日は、入院していると日付感覚が無くなってきます。何曜日だけは、CBCラジオの多田さんの番組、アシスタントさんのお名前で曜日だけは理解できていました。さらに「ここはどこ」ですが、何か、鉄道線路沿いの某病院に運ばれたような感じがして、そこの病院の名前を告げていた記憶があります。
 そこで痴呆の恐れあり、とか診断されたのかもしれません。
 さらに、ここが一宮市民病院だと正確に分かってもどこか東西南北の方位感覚がずれてしまいました。
 これも今思うと脳機能障害だったのかもしれません。

 至急期を過ぎて、回復期になると木曽川病院へ転院しました。
 木曽川病院でも、理学、作業、言語のリハビリ。しかもきっちり毎日。
 木曽川病院の言語リハビリでは、一見遊びのようなことも言語療法としてあるとのことで、言語聴覚士の方と将棋の他、オセロもやりました。
 オセロが病院に置いてあるのは不思議ですが、これもコミュニケーション能力の回復の手段なのでした。
 他に、担当言語聴覚士のお一人が地理に興味があるとのことで、全国の地名を言ったりしました。
 単に言うだけではなく、「あ」で始まる地名、とか「わ」で始まる地名とか、お題付き。
 こういうのもコミュニケーション能力の回復なのですね。やっとわかりました。

 何を今日のブログで書きたかったといえば、「きゃりーぱみゅぱみゅ」と言えるような口の運動機能はそれはまた別次元の問題で、きちんと人様の話を聞け、中身を整理順序立てて、理解できるのか、が大きな目的なのでした。

 木曽川病院での言語リハビリで「Qさま」ばりの質問がありました。「イタリアの首都は?」、そんなような類の質問。イタリアの首都が何処かどうかを訊くのではなく「イタリアの首都は?」という一文をきちんと理解できているかどうかの試験なのでした。

***ちなみに***
 脳出血発症前は「きゃりーぱみゅぱみゅ」を言えていました。発症前は「立て板に水」の発声でしたが、今は、やっと「立て板に水飴」になりました。皆様はふつうだよ、と仰いますが、本人は極めて発音しずらく悩んでおります。

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