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Channel: mitakeつれづれなる抄
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伝達式

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 もう少し相撲の話。稀勢の里の、明治神宮における奉納土俵入りは、凄い人出だったようです。
 マスコミは相変わらず、19年ぶりの日本人横綱で、大相撲人気を取り戻す、などと言うてますが、その横綱へのプロセスに「昇進伝達式」というのがあります。
 稀勢の里の場合はなぜか部屋で行わずに、東京都内のホテルで行ったそうですが、これは単に人が多く入ることができるように、という部屋側の配慮だそうです。
 マスコミの他、部屋の後援会(谷町)が大勢いますので。

 事前にマスコミがカメラをセッティングし、マイクも協会側の使者と、これを受ける部屋側のマイクをそれぞれに向けてセッティング。
 さらに赤じゅうたんに金屏風(もあったかな?)で、見栄えが良い儀礼的にセレモニーのような感じですが(まァセレモニーには違いないですが)、これ元来は本当に伝達するものです。
 マスコミはそこまでは中々、伝えませんからね。

 本場所の2日又は3日後に次の場所の番付編成会議が行われます。その際に、幕下から十両に昇進する力士、大関又は横綱に昇進する力士が決まると、それをその部屋に連絡します。
 なぜ事前に連絡するかという理由は、十両は幕下と違い、お関取として扱われるので、土俵入りの際の化粧まわしなど、諸準備が必要なため。
 大関、横綱の昇進の場合も同じ理由で、諸準備が必要なため。
 さらに大関・横綱昇進は、審判部の番付編成会議では決められないため、理事会の承認を経て昇進が決まります。
 そのため、番付編成会議が終えると、それを知らせるために、審判部の年寄と理事の計2名が使者として、部屋に伝達しに行きます。
 それをセレモニー化したのは、あの光景ですね。
 いつからあのようなセレモニーになったのかは、分かりません。
 どこかの時代で、マスコミの影響で、儀礼的なセレモニーが演出されるようになったのだろうかと思います。

 ついでに番付の話。
 19年ぶりに日本人横綱で、少々やかましく感じますが、この横綱、必ずしも番付に必要なものではありません。
 極端なことを言えば、いなくてもいいです。
 現在では大関の上の地位ですが、元々は最高位が大関で、横綱は単に称号でした。
 その伝統があるので、必ずしも横綱は不要です。
 しかし大関は必ず東西に必要なので、横綱がいる状態で大関が引退することになれば、大関の空席側の横綱が大関の地位をも兼ねる意味で「横綱大関」という地位になります。
 この場合は、大関がどうしても欲しいので、大関昇進が若干緩やかになります。

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