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Channel: mitakeつれづれなる抄
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スロースリップの検出

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 京都新聞web版からです。地震動として地上では揺れを感じない地震活動に、「スロースリップ」というのがありますが、これに京大の地震観測グループが初成功したということです。
記事:海底の「ゆっくり地震」観測 京都大グループ初成功、予測に期待

 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)など海溝型の地震というものは、日本列島が載っているプレートの下に、太平洋プレートなど海洋からのプレートが深くもぐりこみ、陸側のプレートを少しづつ引き込みます。
 そのまま引き込んでしまうと、日本列島沈没になりますので、どこかで陸側のプレートは跳ね返って元の位置に戻ります。
 これが海溝型の地震のメカニズムで、地球規模の大地震になります(動く量が膨大なので)。

 普通に引き込まれたところが元に戻るときは、「ピョン」ではないですが、割と短時間に固着領域が壊れるように剥がれます。
 しかし、海溝の深い部分の温度や堆積物などによっては、非常にゆっくりと、「ベロッ」と剥がれることもあり、これがゆっくり地震ともいわれるスロースリップ。
 スロースリップはとてもゆっくりになると、年単位の動きなどしたりします。
 もう少し短く周期が一時間とか数十分の動きになると、大津波の発生になります。

 東北地方の東側、千葉県沖から青森県沖までの日本海溝周辺では、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が起きる数年前にこのスロースリップが起きているらしい、という報道に接しました。
 スロースリップが起きているから、地震のエネルギーを放出しているのではなく、場合によっては地震活動の前兆かもしれない、ということを聞き、記憶にありました。
 そうした中での2011年3月11日午後。
 その時の遭遇記は、弊ブログに書きましたけど、地震の位置と規模が分かった瞬間にひらめいたのが、この千葉県から青森県にかけてのスロースリップでした。その上でとうとう起きた、大規模海溝型地震。

 憂慮されている東海・東南海・南海トラフの巨大地震も、このスロースリップを伴うと予想されています。
 場合によっては、地上では大きな揺れとならない「津波地震」になるかもしれません。

 熊本県のこともありますし、どこでどうなるのかは、全くわかりません。
 言えるのは、熊本県から大分県の一連の地震活動は、間接的には南海トラフでのプレートの限界が近づいているために、誘発された地震らしいということです。
 この先は、書くのは怖いので止めておこう。

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